球体下僕、セクシー分度器モード……『ブルーロック』でしか聞いたことがない、エゴみが過ぎるパワーワード3選

 累計発行部数3000万部を超え、2024年10月よりアニメ第2期も開始し益々注目を集めるデスバトルサッカー漫画『ブルーロック』(原作:金城宗幸/漫画:ノ村優介)。世界一のストライカーを産み出す為の特殊訓練施設「ブルーロック」に集められた選りすぐりのストライカー達は我の強すぎるエゴイストばかりだ。

 そんな自己顕示欲が限界突破した選手ばかりが集結しているからか、本作品以外ではおよそ耳にすることがない激熱ワードが度々登場することも作品の魅力となっていることは疑いようがない。

 そこで今回は、作中で特に筆者のハートにぶっ刺さったパワーワードを3つ紹介したい。

あのレジェンド作品へのアンチテーゼ? 「球体下僕」

 まずは作中屈指の俺様キャラ、キングの異名を持つ馬狼照英(ばろうしょうえい)のこちらのセリフだ。ある意味相棒とも呼べる存在のサッカーボールに対して「オレを輝かせる為のただの球体下僕だ」と言い放ったのだ。これには幼少期から『キャプテン翼』を読んで育ち「ボールはともだち」がサッカーというスポーツの本質だと信じて疑っていなかった筆者の概念を揺さぶりまくった。

 ボールは自身が成り上がる為の道具どころか下僕でしかないとのたまう馬狼。日本人のメンタル気質とはおよそ思えない激しすぎる自己主張。そして「球体下僕」というイカれたワードセンス。ある意味、最も作品世界を体現している言葉であると言えるだろう。

ディフェンスの究極進化系? 「セクシー分度器モード」

 次に紹介したいのは、恐らく今後のスポーツ漫画史において同じワードが登場することは2度とないであろう謎が謎を呼ぶ新機軸のディフェンス形態「セクシー分度器モード」である。

 セクシーとはサッカーの世界において度々登場する、華麗なプレーを表す際に用いられる表現だ。2005年に開催された第84回全国高校サッカー選手権大会、滋賀県立野州高校が華麗なパスワークにドリブル、そして時にトリッキーなプレーを混ぜながら観客を魅了し全国の頂点に立った。そのスタイルは「セクシーフットボール」と呼ばれ一世を風靡したことは記憶に新しい。

 しかしながら、その攻撃スタイルがセクシーフットボールと評価されてはいたが、守備においてはセクシーと繋がることは筆者が知る限りは無かったと認識している。作中に登場する雷市陣吾(らいちじんご)は、そんな新たなスタイル、セクシー分度器ディフェンスの体現者だ。

 セクシーフットボールを持ち味と自負している雷市だが、華麗さよりも無類の体幹の強さと粘り強い守備が信条の、どちらかといわなくても泥臭いプレースタイルが売りの選手だ。

 ワールドクラスのプレーヤー、マルク・スナッフィーとマッチアップする際に本作の主人公、潔世一(いさぎよいち)の助言で「半径2m以内、180度限定の分度器マンマーク」を求められた雷市。新たな価値観を取り入れセクシー分度器モードにバージョンアップを果たした雷市は見事にスナッフィーの選択肢を削り続けその役割を果たした。それにしてもセクシー分度器モードというネーミングセンスはなかなかにパワープレイが過ぎる。

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