全て回収できるの?『呪術廻戦』完結間近ーー虎杖や宿儺に関して残された“謎”をまとめて紹介
■宿儺や天元に関して残された謎
それに対して宿儺の側にも、謎めいた描写がいくつかある。まず宿儺という名前自体、古代史に記された鬼神「両面宿儺」に姿形が似ているためそう呼ばれているだけで、本名は明かされていない。
来栖華に受肉した1000年前の術師・天使は、宿儺のことを「堕天」と呼んでいるが、その名称の由来について描かれたことはない。もしかすると、今後過去編としてそのあたりの掘り下げが行われることになるのかもしれない。
また第220話では、生前の宿儺が“即身仏”になったものが飛騨霊山浄界に据えられているところが描かれていた。これを宿儺は天元の「皮肉」ではないかと勘繰っていたが、読者に対してはほとんど情報が与えられていないので、想像を掻き立てられてしまう。
さらに呪術界の大物・天元と諸悪の根源である羂索の関係についても、意味深な描写にとどまっている。天元が羂索のことを「あの子」と呼ぶ一方、羂索も今の天元の姿について皮肉を言っており、2人は旧知の間柄だった模様。そして薨星宮の戦いが決着した際には、羂索は天元の本体に対して「さらば友よ」という言葉を投げかけていた。
おそらく1000年前からの因縁があると思われる2人だが、その原点としてどのような関係性があったのか、気になるところだ。
また、ちょっとした要素としては、謎の一級術師・宇佐美の存在も挙げられるだろう。この人物の存在が明かされたのは、第253話でのこと。「最強の一級術師は誰?」という問いを向けられた日下部篤也が、「俺と宇佐美以外の誰か」と回答していたのだが、これまで一切名前が出ていないキャラクターだったため読者を騒がせることになった。
今さら新たな呪術師が本筋に関わってくる可能性は低いように思われるので、もし描かれるとしても、エピローグで少し顔を見せる程度ではないだろうか。同じく本格的に描かれそうにない要素としては、過去に何度か触れられてきた「アイヌの呪術連」なども挙げられる。
もちろん、作中のすべての情報を事細かに説明するのがいい終わり方とは限らない。すでにメインストーリーに関わる描写はほとんど出揃いつつあるので、あとは作者の匙加減といったところだろう。残り3話でどんな情報が飛び出すのか、要注目だ。
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