『シティーハンター』冴羽獠に仕事を頼むなら報酬はいくら? 原作内の描写から算定してみた

 これまで様々な媒体でメディアミックスされてきた名作『シティーハンター』。その主人公といえば、殺し屋界のNo.1で、新宿を舞台に活動する冴羽獠と、アシスタントの槇村香だ。裏社会にその名を轟かすスイーパーに仕事を依頼する場合、いったいいくらぐらいになるのか? 本稿では、コミック内での香や依頼者とのやりとりから依頼金額を推測してみたい。

依頼を受けるのは心がふれた時 500円の依頼を優先することも

 冴羽獠に“殺し”を依頼する場合の金額が最も明確に描かれている回は「栄光なきテンカウント」だ。この回は、まだ冴羽のパートナーが槇村秀幸だった頃のエピソード。女医の岩崎めぐみから、彼女の恋人でボクサーの荻野俊一を殺した稲垣という対戦相手を殺して欲しい、という依頼を受けた冴羽は、当初は殺し屋を雇うよりも警察に行くよう言い断ろうとする。しかし、彼女が自身の余命が長くないこと、3000万円分の生命保険の受取人を冴羽にすると言ったことでその本気を感じ取り依頼を受けることに。その際の岩崎めぐみのセリフは「わたしはあなたに自分の命を支払います」だった。

 他の“殺し”にまつわる依頼料が描かれたエピソードとしては、香と冴羽の最初の出会いを描いた「写真をめぐる思い出!!」の回だ。この回では、大手兵器メーカー社長が、自社の兵器密売の情報を探っているルポライターを殺して欲しいとシティーハンターに500万円で依頼してくる。おそらく、案件の相場が数百万円なのだろう。しかし、冴羽はこの500万の仕事をふいにして、逆にルポライターの娘からの「父親を守ってほしい」という依頼を成功させるために利用するのだ。娘の依頼料はなんと500円。しかも、最終的に冴羽はこの500円も、「あの子の汗で光る500円、俺にはまぶしくて受け取れねぇ…」とこっそり返している。

 また、「栄光なきテンカウント」では、依頼通り稲垣を殺すのだが、岩崎めぐみの3000万円分の生命保険の証書を破り捨て、代わりに残りの生涯自分を恋人と思い続けるよう彼女に伝えて幕を閉じる。冴羽にとっては、依頼料の金額よりも、依頼人の本気度と、自らが心動くかが依頼を受けるか否かの分かれ目なのだ。

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