『鬼滅の刃』なぜ齢8歳が当主に? 鬼舞辻無惨との因縁を抱える産屋敷家のしきたりを考察

※本稿は、『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴/集英社)のネタバレを含みます。同作を未読の方はご注意ください。

 いよいよテレビシリーズ5期がスタートした『鬼滅の刃』。原作を踏まえると、今後のストーリーでは鬼殺隊員だけでなく、鬼狩りを統括する産屋敷一族についても焦点が当たっていくことになる。そこで、本稿では、稀代のカリスマである産屋敷耀哉と、その息子で齢8歳にして当主となる輝利哉を生み出した、独特すぎる産屋敷家のしきたりや鬼舞辻無惨との因縁について紹介したい。

平安時代から千年! 産屋敷一族、呪いの始まり

 鬼舞辻無惨が率いる鬼を滅ぼすために結成された鬼殺隊。産屋敷家の当主は、代々この鬼殺隊の「お館様」として隊員を指揮する。鬼殺隊の隊員たちの多くは、家族や恋人、友達など大切な人を鬼に殺された過去を持ち因縁を抱えているが、産屋敷一族もまた鬼との深すぎる因縁を抱えており、実はそれによって千年にわたって呪いがかけられ、鬼狩りを指揮することとなったという経緯が柱稽古編から無惨との最終決戦までのエピソード内で明かされるのだ。

 今後のアニメ版でも取り上げられるであろう内容なので詳細は割愛するが、産屋敷耀哉の病床に産屋敷邸を探し当てた鬼舞辻無惨が訪れた際、耀哉は無惨に「君は知らないかも知れないが...君と私は同じ血筋なんだよ...君が生まれたのは千年以上前のことだろうから、私と君の血はもう...近くないけれど」「君のような怪物を...一族から出してしまったせいで...私の一族は...呪われていた」と、鬼を出したことで、一族が千年以上呪われており、彼を倒すまでその呪いから解放されないことを話している。

 この呪いとは、子供が病弱ですぐ死んでしまうというもの。公式ファンブック『鬼殺隊見聞録』によれば、特に男児は弱く齢13歳まで生き残る子が少ない上、生き残ったとしても1人を残して全員死ぬことになっているらしい。さらに、女の子が生まれた場合も13歳までに結婚し姓を変えないと死亡してしまうという。そもそも、13歳までの死亡率が高い上に、以降生きるのにも、かなりの条件がつくのである。産屋敷耀哉曰く、神職の一族から妻をもらうことで、子供が死にづらくはなったが、それでも男児は30歳まで生きられないという。現に、産屋敷耀哉は13歳で17歳のあまねと結婚し、病気で23歳の若さで亡くなっており、呪いの強さが窺える。こうした呪いを断ち切りたい思いから、敷耀哉は鬼舞辻無惨が訪れた際に、ある驚きの行動を取るのだが、原作でも衝撃的なシーンなので、アニメ版でどのように描かれるのか、一ファンとしては今から楽しみでならない。

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