『シティーハンター』『ザ・ファブル』『ダンダダン』……“男女バディ”の活躍がアツい漫画といえば?

 根強い人気を誇るバディものといえば、どの作品が思い浮かぶだろうか。『金色のガッシュ‼』のように魔物と人間のパートナーシップを描いたものもあれば、『ハコヅメ〜交番女子の逆襲〜』のように女性同士の連帯を描いたものまで。いずれの作品も、バディが生み出すケミストリーが何よりの人気の理由だろう。

 そこで本稿では、あらゆる組み合わせのあるバディものの中から、“男女バディ"をピックアップして紹介する。

『シティーハンター』冴羽獠と槇村香

 まずは、ハードボイルドコメディの金字塔『シティーハンター』。1985年から『週刊少年ジャンプ』で約6年にわたり連載。4月からはNetflixで鈴木亮平を主演に映画が公開されている。裏社会で暗躍する凄腕スイーパーの冴羽獠。かつてのバディであった槇村秀幸が殺され、妹の香が新たなパートナーに。ともに都会の悪を掃除するべく縦横無尽に駆け回る。

 獠と香の名勝負(?)といえばもっこりvs100tハンマーだが、二人の絆が生む連係プレーも外せない。野上三姉妹の三女・唯香が反政府テロリストに狙われていた時のこと。唯香のボディガードを請け負う獠は風邪をひいてしまい、体調が戻らないまま仕事を続けていた。

 ある日テロリストたちは、獠をけん制するため相棒である香を人質にとり、事務所へ立てこもってしまう。助けに来た獠は彼らと闘い最後の1人まで追い詰めるものの、発熱により目が霞んで焦点が合わない。そんな時、獠は香にバックハグをするような体制をとり、銃を前に構え、「香 おれの目になれ!!」と自らの目の代わりとなるよう求める。戸惑う香だったが獠を信じ切り、無事対象にヒット。見事なチームワークを見せ、テロリスト撃退を成功させるのだ。(第293話 二人で一人の心‼の巻)

 強い信頼関係で結ばれている彼らの間には、しばしばお互いにしかわからない空気が流れているように感じる。獠と香は二人でシティーハンター……恋愛すらも超越した関係性で結ばれる彼らは、まさに屈指の“名バディ”といえる。

『ザ・ファブル』ファブル(アキラ)とヨウコ

 続いては、『週刊ヤングマガジン』にて2014年から2019年まで連載された『ザ・ファブル』。岡田准一主演で実写映画化され、その後『ザ・ファブル The secound contact』を連載、現在は4月からアニメが絶賛放送中。プロの殺し屋通称「ファブル」=佐藤明(アキラ。偽名)が、パートナー・洋子(ヨウコ。同じく偽名)とともに一般人になりすます、殺し屋休業生活を描いた作品だ。

 一見バイオレンスなコンビの、ゆるっとした会話の掛け合いにはいつも癒される。基本的に明がミッションに対して動き、それをヨウコがサポートする形だが、そんな二人が拳をふるい合うエピソードは必見である。

 ヨウコはアキラが自分より100倍強いと言っていたことを思い出し、彼に手合わせを申し込む。いつもファブルの運転手だったヨウコは、自分も役に立つということをわからせたかったのだ。ルールは、指に塗った口紅がどちらかの首に付着したら終了。勝負開始直後、ヨウコが拳と蹴りを繰り出したかと思えば、アキラがそれを抑え、彼女の頭を抱え、首筋に口紅をつける。その間6秒。何度かリベンジするも結果は同じで、ヨウコの完敗だった。(第146話~ 兄vs.妹)

 いくらパートナーといえども容赦せず全力で立ち向かう両者は、まるで本当の“兄妹”のようだ。この遠慮のなさが、バディとしての互いの理解度を高めているのだろう。

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