『キャプテン翼』ネーム連載という前代未聞の挑戦 ペン入れナシでも失われない魅力と新たな可能性を考察

新たな漫画表現の形になる可能性も

 これまで長期連載の最中、残念ながら完結を迎えることなく終了してしまった作品も少なくない中で、今回の高橋陽一先生の試みが新たな表現の形になる可能性もある。さらにネームでのストーリーが完結まで描かれた後、その内容を元にアニメ化されたり、バトンを受け継いだ方が漫画連載をスタートされることも有り得る話だろう。

 63歳となってなお、新たなチャレンジを続ける高橋陽一先生の姿はそのまま『キャプテン翼』の主人公、大空翼のそれと重なる。目の前の困難に対して創造性豊かなアイデアと意欲と、なによりサッカーへの大きな愛情を持って行動される姿は読者に勇気と新たな体験価値をもたらしてくれる。『キャプテン翼WORLD』の今後の展開に注目していきたい。

関連記事