『ONE PIECE』実はみんな子煩悩!? くまからドラゴンまで“クズ”だけじゃなかった父親キャラたち

 大人気漫画『ONE PIECE』には、これまで1000を超えるキャラクターが登場している。その中には「父親キャラ」も少なくないが、「父親キャラはクズキャラが多いイメージ」との声も多い。しかし最近では、『ONE PIECE』に登場する父親像が変わってきているようだ。

クズキャラと言われる父親たちも実は……

 まずクズキャラと言われがちな父親2人を紹介しよう。1人は麦わらの一味ウソップの父親であるヤソップ。赤髪海賊団のシャンクスにスカウトされ、病気の妻とまだ幼かったウソップを残して海賊になっている。

 もう1人は同じく麦わらの一味であるサンジの実父である、ヴィンスモーク・ジャッジ。ジェルマ王国の国王であり、「ジェルマ66」という闇組織の総帥でもある。ジェルマ帝国再興という野望を果たすため、サンジをビッグ・マムの娘の結婚相手として差し出そうとしたジャッジ。この2人の父親は子供よりも自分優先であり、クズキャラと言われてしまうのも理解できるところだ。

 しかし、ヤソップは映画『ONE PIECE FILM RED』でウソップとの共闘が実現。現実世界と仮想世界の両方に存在する魔王に対し、見聞色の覇気でつながった父子が互いに見ている景色を共有し同時攻撃を可能にした。ウソップがヤソップに気づいた時には、「やっと気づいたか、バカ息子」と息子の成長を喜ぶ描写もあった。

 またジャッジはビッグ・マムから逃げる際、今後サンジや仲間たちの前に現れないと約束し脱出の援護を買って出る画面も。2人とも子供に対する情が全くないわけでもないようだ。

愛情深い父親キャラも

 逆に作品内で最高の「父親キャラ」との声があがるのが、革命軍のバーソロミュー・くま。仲間だったジニーの娘であるジェリー・ボニーを自分の娘として育て、ボニーの病気を治すために自ら生物兵器として改造されることを受け入れ、自我を失った。

 しかしボニーが殺されそうになった時には駆けつけてボニーを救出。自我がないはずのくまがボニーを助けた行動には、理屈ではない父親の強い愛情を感じさせた。本作にはさまざまな親子関係が描かれているが、そんな中でも随一の親子愛を感じさせるエピソードと言えるだろう。

 他にも子煩悩キャラといえば、カポネ・ベッジがいる。裏社会出身の元ギャングで残虐な性格ながら、息子ペッソと話す時は赤ちゃん言葉でデレデレしてしまうという子煩悩で親バカな一面も。ベッジは“最悪の世代”の1人であり決して善良な人間ではないが、子供に対する思いには感心させられる。

 また、アラバスタ国王コブラ王は父親として「理想」との声も上がっている。「私は一人の父としてこの土地に住む民として心より礼を言いたい」と、海賊であるルフィたちに頭を下げたコブラ王。父親としての娘への思いを感じさせる場面だ。

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