ブーム到来? 「怪獣マンガ」続々と連載スタート 『怪獣8号』に続くヒットはどの作品になる?

気弱な少女が手に入れた怪獣化の力

  また小学館のマンガアプリ『マンガワン』で2023年8月から連載が始まった『雷雷雷』は、ヨシアキによるSFアクションコメディ。“ガール・ミーツ・エイリアン”の独特な世界観を堪能できる作品となっている。

  人類がエイリアンとの戦争に勝利を収めてから50年後。主人公・市ヶ谷スミレは父親が残した借金の返済のため、「宇宙害蟲」を駆除する会社で働いていた。しかしそんなある日、スミレは根絶されたはずのエイリアンにさらわれ、身体に異変が起きてしまう。“怪獣”のような強大な力を手に入れるのだ。

  序盤は『寄生獣』や『怪獣8号』に近い展開ではあるものの、その後物語は思いもよらない方向へと進んでいく。少女たちの気の抜けるコミカルな掛け合いと、迫力のあるアクションを同時に楽しめるのが同作ならではの魅力だろう。

  さらに『ヤングチャンピオン』(秋田書店)では、2月27日発売号より歴史ドラマに怪獣要素をプラスした『戦国怪獣記ライゴラ』という新連載が始まった。原作は『凍牌』シリーズや『モンキーピーク』の志名坂高次、作画は『日本を創った男~渋沢栄一 青き日々~』や『哲也~雀聖と呼ばれた男~』の星野泰視が担当しており、怪獣デザイン協力として『ウルトラマン』シリーズの丸山浩が名前を連ねている。

  時は戦国、毛利軍と陶軍が中国地方の覇権争いを繰り広げる1555年から物語が始まる。厳島が戦場となり、合戦の火ぶたが切って落とされたかと思われた瞬間、海から巨大な怪獣が姿を現すのだった……。

  作中では巨大な怪獣に刀を持った武士が対峙するという、なかなか他の作品では見られない光景が広がっており、今後の展開に期待が高まる。

  さまざまな角度から怪獣の存在を描き出している3つの新連載。『怪獣8号』に続くヒット作は生まれるのだろうか。

 ©松本直也/集英社

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