『劇場版ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦』で振り返る、作中の熱すぎる“応援エピソード”
悔しい経験もコートに乗せて〜応援が繋ぐチームの襷
大人数でチームを鼓舞する応援の形もあれば、たった1人でも懸命に声を届ける応援の形もある。ここで烏野高校の守備の要、チーム1の大型センター月島蛍(つきしまけい)の兄、月島明光(つきしまあきてる)についても触れておきたい。
中学時代はチームのエースで、強豪の烏野高校バレー部でも活躍することを目指して奮闘する明光。そんな兄を尊敬し慕っていた蛍。羨望の眼差しで見つめる弟に、自分はエースで試合に出ていると嘘をついてしまう。たまたま試合を観戦に訪れた蛍の視界に映ったのは、コートではなく応援席にいる兄の姿だった。
高校では成果を残せず、過去の出来事もあり兄弟の関係もギクシャクしてしまった時期もあったが、久しぶりに兄弟で会話を交わし、2人のわだかまりも少しずつ溶け始めていく。春高予選決勝では、蛍に「来なくていいから」と言われているにも関わらずこっそりと弟を応援に来る明光。そして仕事の合間をぬって全国大会の応援にも駆けつけている。お世辞にも愛想が良いとは言えない蛍がチームに溶け込んでいる様子を見るだけで明光が号泣してしまうシーンもあり、兄から弟への愛情の深さが感じられる。
明光のように選手としては大成できなかった選手の方が部活動、特に強豪チームにおいてはむしろ多いことだろう。コートでプレーする選手達はそんな試合に出れなかった人間の想いも背負っているのだ。
『劇場版ハイキュー!!ゴミ捨て場の決戦』応援上映に参戦される際には、様々な思いが交錯するこの1戦を、懸命にプレーする選手達に応援の言葉を届けながら、ぜひ心から楽しんでほしい。