『葬送のフリーレン』に登場する“花”には重要な役割がある? 花にまつわる美しいエピソードに注目

 魔王を倒した後の”その後”を描いた異世界ファンタジー『葬送のフリーレン』。勇者ヒンメルの死後、エルフの魔法使い・フリーレンは新たにフェルン、シュタルクらとパーティーを組み、魂の眠る地(オレオール)を目指して旅をしている。

 作中では、キャラクターのセリフや行動などをきっかけに、フリーレンがヒンメルたちとの思い出をひとつひとつ回想していく。過去の記憶を巡らすきっかけとなるものはいくつかあるが、とくに”花”の登場回では彼らの深い関係が語られている。そこで本稿では、花の登場を機に明かされたエピソードを紹介していきたい。

鏡蓮華でヒンメルの気持ちが明らかに?

 ヒンメルはフリーレンに恋心があったのかーーSNSで考察が相次いでいるテーマだが、その答えのようなものが第30話「鏡蓮華」で明かされる。エピソードタイトルにもなっている鏡蓮華とは、フリーレンが持っている指輪にデザインされた花のこと。花言葉は「久遠の愛情」で、本来は恋人に贈るものとして知られており、この愛情の証ともいえる鏡蓮華の指輪をフリーレンにプレゼントしたのが、ヒンメルだったのだ。

 指輪を選んだのは当時、花言葉を知らなかったフリーレンだが、鏡蓮華をみて複雑な表情を浮かべるヒンメルを見るに、彼は指輪の意味に気づいていたように見える。まるでプロポーズかのように指輪を渡すヒンメルからは、フリーレンへの確かな愛情が感じられた。

フリーレンが魔法を好きになった理由

 第3話の「蒼月草」では、フリーレンが魔法を好きになった理由が明らかになる。フェルンと旅を始めたころ、たどり着いた街で汚れたヒンメルの銅像を見つけたフリーレン。銅像の錆を綺麗に撮る魔法で磨いたあと、彩りを加えるために考えついたのがヒンメルの故郷の花"蒼月草"を添えることだった。しかし、絶滅したとされる花を見つけることは困難を極めた。

 執着するかのように蒼月草を探し求めるフリーレンに、フェルンは魔法を集める理由を問いかける。今となっては趣味と話しているが、その背景には「ヒンメルが私の集めた魔法を褒めてくれた」というきっかけが存在していた。作中では「赤リンゴを青リンゴに変える魔法」や「パンケーキを上手にひっくり返す魔法」といった変な魔法ばかりを収集しているが、元をたどればそこにはヒンメルの影響があったのだ。

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