諸悪の根源は天竜人? 『ONE PIECE』に悲惨な過去を持つキャラクターが多すぎる

奴隷だった過去、憎しみの連鎖による迫害

 元王下七武海の1人で、女ヶ島アマゾン・リリーの皇帝ボア・ハンコックも奴隷として迫害されていた過去を持つ。12の頃、姉妹と共に攫われて売り飛ばされ、奴隷となった。その際のことをハンコックは「何の希望も見出せず、死ぬことばかり考えていた」と述べている。

 その心の傷は逃走してからも癒えず、ハンコックは奴隷であった過去を全国民に隠し続けている。誰にも心を許すことができず、誰にも隙を見せることができない。過去は彼女たち三姉妹を孤独の檻に捕え続けていた。

 対照的なのは元天竜人のドンキホーテ・ドフラミンゴだ。父親の“人間宣言”で一家はマリージョアを出て人間として生活することになる。父親は慎ましく静かな暮らしができると思っていたようだが、待っていたのは天竜人によって苦しめられてきた人々の復讐だった。憎しみの捌け口として暴力に耐え、食べるものも無くゴミを漁る日々。幼き日の強烈な体験は、ドフラミンゴに天竜人が支配する世界の破壊を決意させた。

 天竜人の支配する世界の歪みは登場人物の人生に大きな影を落とし、更なる悲劇を生む。今まで決して権力に媚びることなく正面から立ち向かってきたルフィ達だが、世界政府はあまりにも強大で手強い。どのようにルフィ達が歪な世界を破壊してくれるのか、今後の動向から目が離せない。

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