諸悪の根源は天竜人? 『ONE PIECE』に悲惨な過去を持つキャラクターが多すぎる

 一昨年に最終章に突入してから怒涛の展開を見せている『ONE PIECE』で、バーソロミュー・くまとジュエリー・ボニーの過去編が公開された。そのあまりに凄惨さにネット上で話題になったのは記憶に新しい。父子の人生は世界政府に狂わされてしまったが、それはくま、ボニー親子だけではない。今回は、そんな痛ましい過去を持つキャラクターにスポットを当てていきたい。

世界政府と天竜人に狂わされた父子の人生

 まずは最初に述べたくま、ボニー親子だ。実はボニーはくまの実の父親ではない。ボニーの母であるジニーはくまにプロポーズまでする仲だったが、くまは自分の血筋によって奴隷に落とされた過去があるためそれを受け入れることができなかった。くまは生まれながらに奴隷階級とされている“バッカニア族”の生き残りだったのだ。

 父母と共に奴隷となり、引き離され、死に目にも会えず母は亡くなった。くまを励ましてくれていた父もくまの目の前で天竜人に殺される。そしてくまについて革命軍に入隊したジニーも天竜人に攫われてしまい、病気になったからといって赤子共々捨てられたのだ。

 大切な人たちに降りかかる悲劇に耐えながらも、くまはボニーに愛情を与え続け、父子仲はとても良好だった。そんな折、ボニーに母ジニーと同じ症状が出現する。くまは革命軍を辞め、ボニーの治療方法を必死に探した。そしてついに政府の天才科学者Dr.ベガパンクに辿り着く。しかし世界政府は「自身が海軍の『人間兵器』になる」「最終的に一切の『思考』と『自我』を捨てる」などの厳しい治療条件を突きつける。どうしてもボニーを救いたかったくまは、その条件に頷くしかなかった。

 サイボーグになるまでの2年間、ボニーに近づくことも禁じられたくま。そのため一生分の想いを込めた手紙をボニーに宛てて書いていたが、世界政府の監視に処分されてしまう。それを訝しんだボニーは海へ出ることを決意。しかし結局、元気になったボニーとまみえることなく、くまは「思考」も「自我」も失ってしまった。

関連記事