『ダンジョン飯』『葬送のフリーレン』の共通点は? 海外漫画ファンも夢中にする「dumb elf」って何? 

  近年、海外で多くのファンが生まれている日本のマンガ・アニメ作品。現在放送中のTVアニメでいうと、『ダンジョン飯』と『葬送のフリーレン』がちょっとしたブームを巻き起こしているようだ。その背景には、不思議な魅力に満ちた“駄エルフ”たちの存在があった。

  まず『ダンジョン飯』は九井諒子が『ハルタ』で連載していたマンガで、2024年1月からTVアニメの放送が始まったばかり。冒険者たちがスライムやバジリスク、ミミックといったダンジョンのモンスターたちを“調理”して食べていくストーリーだ。

  ファンタジー×グルメの独創的な設定だけでなく、魔物知識が豊富すぎる主人公・ライオス、ハーフフットの鍵師・チルチャック、魔物食のスペシャリスト・センシと、キャラクター設定の豊かさも同作ならではの魅力と言える。そのなかでもとくに視聴者が釘付けになっているのは、エルフの魔術師・マルシルだろう。

  マルシルは魔術師としては優秀なようだが、ポンコツな一面があり、なにかと不遇な目に遭いがち。アニメで放送された範囲では、スライムを頭からかぶったり、人喰い植物に捕獲されたり、マンドレイクの悲鳴を聞いて精神に異常をきたしたりと、第2話までの時点ですでに名シーンの数々を生み出している。しかもマンドレイクに関しては、仲間たちを見返すために暴走した結果なので、ほぼ自業自得だ。

  絶妙なキャラクター造形はすでに国内外でファンを増やしており、海外のネットユーザーのあいだでは「dumb elf」(駄エルフ)といった呼び方で愛されている光景も見受けられる。

  他方で昨年9月から連続2クールで放送されている『葬送のフリーレン』にも、同じエルフ枠の魔法使いが存在する。ご存じ主人公のフリーレンだ。1000年以上生きてきた長命のエルフであり、かつて勇者と共に魔王を倒したほどの実力をもつ優秀な魔法使いだが、こちらもポンコツな部分がある。

  ダンジョンにある宝箱に目がなく、ミミックに食べられてしまうことが日常茶飯事。また、誰かに起こされなければ昼まで寝ているほど朝に弱く、弟子のフェルンがご飯を食べさせたり、身支度を整えたりとお世話する毎日で、「これ私完全にお母さんですよね」とツッコミを受けていた。

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