『葬送のフリーレン』の魅力はセリフにあり? ポスター企画「#君を応援する魔法」に採用された名言を紐解く

 アニメ好評放送中の『葬送のフリーレン』と、第2期のオープニング主題歌に起用されているヨルシカ「晴る」のコラボポスターが1月21日まで、小田急線・田園都市線・東横線を中心とした東京都内の各駅に掲出中だ。「#君を応援する魔法」というコンセプトのもと、フリーレン、フェルン、シュタルク、ヒンメル、アイゼン、ハイターという主要6キャラクターの「名言」がピックアップされ、多くのファンがSNSに写真をポストしている。

 『葬送のフリーレン』は、勇者一行が魔王を打倒するという“大きな物語”のエンディングからスタートする、異色のファンタジー作品。勇者ヒンメルが他界した後、悠久の時を生きるエルフの魔法使い・フリーレンが“人を知る”ための旅を続けていく文学的な物語だ。

 魔族とのバトルも魅力的だが、「戦い」に重きを置いていないように思える本作。しかし、「応援」というコンセプトに合わせたチョイスということもあってか、ポスターを見ると「戦う(挑戦する)勇気や覚悟」にフォーカスした名言が多いことがわかる。

 フリーレンのポスターに添えられたのは、「相手が強かったら、戦わないの?」の一言。狡猾で力のある魔族(リュグナー/リーニエ)と対峙するなかで、フェルンとシュタルクがフリーレンを頼ろうとした際に放たれた言葉だ。二人の実力を知り、勝算があるからこその言葉であり、やや挑発的なニュアンスで心を奮い立たせた。

 フェルンとシュタルクの言葉もいい。フェルンの「必死に積み上げてきたものは、決して裏切りません。」は、たゆまぬ努力で磨かれた力量は十分ながら、怖気づいて一歩が踏み出せないシュタルクに投げかけられたもの。シュタルクの言葉はこのエピソードに連なるもので、恐ろしいドラゴンを前にしてつぶやいた「必要なのは、覚悟だけだ。」。いずれも何かに挑む前に噛み締めたい言葉だ。

 それでも、どうしても足がすくんでしまったり、諦めてしまいたくなるような壁が道を阻むことはある。そんなときに勇気をくれるのが、いつでも人々を優しく鼓舞してきた勇者ヒンメルの言葉「だったら僕がイメージさせてやる。この世に不可能はないって。」だ。

 “七崩賢”に数えられる大魔族・不死なるベーゼの結界魔法に閉じ込められ、フリーレンが「この結界を打ち破ることは私にはできない」「私たちの冒険はここで終わりなんだよ」と諦めたとき、ヒンメルが結界に対して剣をふるい、それを打ち破る糸口を示した名シーンの一言。いかに可能性が低く思えても、挑まなければならないこともある。そんなときに、こんな言葉をかけてくれる人がいたらどれほど頼もしいだろうか。

 しかし、どれだけ努力を重ね、どれだけの覚悟で挑んだとしても、望むような結果が得られないこともあるのが人生だ。そんなとき、戦士アイゼンは「頑張った者は、皆戦士だ。」と優しく、僧侶ハイターは「必死に生きてきた人の行き着く先が 無であっていいはずがありません。」と微笑みながら、「必死に/頑張った」ことに意味を与えてくれる。

 それぞれのキャラクターが生きた6つの名言は、受験を控えた学生にも、日々チャレンジを続けるビジネスパーソンにも響くものだろう。実際にポスターを見たい人は、1月21日(日)までに以下の駅に足を運んでみてはいかがだろうか。

<小田急線>
新宿駅、経堂駅、成城学園前駅、向ケ丘遊園駅、生田駅、新百合ヶ丘駅、玉川学園駅、町田駅、相模大野駅、東海大学前駅、小田原駅、湘南台駅、六会日大前駅、小田急多摩センター駅、梅ヶ丘駅
 
<東横線>
渋谷駅、中目黒駅、学芸大学駅、武蔵小杉駅、日吉駅、綱島駅、横浜駅
 
<田園都市線>
渋谷駅、池尻大橋駅、桜新町駅、用賀駅、二子玉川駅、溝の口駅、あざみ野駅、市が尾駅、青葉台駅
 
<目黒線>
目黒駅、武蔵小山駅
 
<池上線>
御嶽山駅、池上駅
 
<多摩川線>
蒲田駅
 
<大井町線>
旗の台駅、自由が丘駅、上野毛駅
 
<世田谷線>
宮の坂駅、三軒茶屋駅

https://www.universal-music.co.jp/yorushika/news/2024-01-15/

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