『月刊ブシロード』来年4月休刊へ 『ヴァンガード』など隆盛カードゲーム情報満載でも“雑誌”は厳しい?
漫画雑誌『月刊ブシロード』が、2024年4月8日に発売される5月号の刊行をもって、休刊することが発表された。2013年9月の創刊以来、11年半の歴史に幕を下ろす。同誌は、ブシロードグループのブシロードワークスが編集・発行し、KADOKAWAが発売している。ブシロードが展開する人気コンテンツ『カードファイト!! ヴァンガード』のコミカライズを始め、カードゲームなどの情報も盛りだくさんの娯楽性の高い内容で支持を集めていた。
編集部は12月8日、公式サイトで「小誌創刊からの10年以上、『カードファイト!! ヴァンガード』をはじめ、さまざまな漫画作品、最新情報記事をお届けしてまいりました。作家の皆様、制作に携わっていただいた関係者の皆様、そしてご愛読いただいた読者の皆様、すべての皆様に心からのお礼を申し上げます」と、読者に向けてコメントを発表した。
また、『カードファイト!! ヴァンガード』を筆頭に、一部の作品については掲載媒体を変更して連載を継続するとのこと。それら以外の作品については、最終号にて連載完結となる予定とのことだ。編集部は、「最終号まで残り4号となりますが、編集部一同、一丸となって全力で雑誌作りに取り組んでまいります。引き続きのご愛顧・ご愛読を何卒よろしくお願いいたします」と、コメントを結んだ。
ブシロードは、2007年にブロッコリー創業者の木谷高明によって設立され、数々のカードゲームやゲームソフトを世に送り出してきた。なかでもトレーディングカードゲームの『カードファイト!! ヴァンガード』は国産カードゲームとして成功を収め、世界中にプレイヤーを獲得している。2011年から同作はテレビアニメ化もなされ、好評を博したためシリーズ化を果たし、2021年からも『カードファイト!! ヴァンガード overDress』が放映されている。
そうした魅惑的なコンテンツを抱える企業であっても、雑誌の発刊は難しいという実情が浮き彫りになったといえる。実は、『月刊ブシロード』も以前に休刊が事実上決まっていた時期があったというが、たびたびのリニューアルを経て危機を乗り越えてきた。それゆえ、今回の休刊の決定を残念がる声は、出版界からも上がっている。そして、他社からも刊行される同種のアニメ、ゲーム関連の漫画雑誌は今後どうなっていくのか。動向がますます注目される。