【推しの子】アニメ第2期「2.5次元舞台編」は見どころ多すぎ? 誰が主役でも成立するエピソードに注目

※本稿は『【推しの子】』のネタバレを含みます。原作未読の方はご注意ください。

 2023年の大ヒットアニメ『【推しの子】』。すでに制作が発表された第2期について、11月26日に開催された『苺プロダクション☆ファン感謝祭2023』(幕張メッセ)で、2024年に放送されることが正式に発表された。本稿では、そのハイライトになるだろう「2.5次元舞台編」の見どころを押さえておきたい。

TVアニメ『【推しの子】』第2期ティザービジュアル公開記念映像

 原作・赤坂アカ、作画・横槍メンゴの黄金ダッグによる原作漫画『【推しの子】』は、若くしてこの世を去った天才アイドル・星野アイが残した双子の兄妹(アクア/ルビー)が芸能界に入り、事件の真相に迫っていく物語。2020年4月より「週刊ヤングジャンプ」で連載中だ。

 原作の第5章にあたる「2.5次元舞台編」では、第1期でも印象的な活躍を見せた天才舞台女優・黒川あかねが所属する「劇団ララライ」の新作舞台が描かれる。アクアや有馬かな、鳴嶋メルトらが共演するエピソードだ。

 『【推しの子】』は芸能界の“舞台裏”に鋭く迫る作品であり、自らのYouTubeチャンネルで「僕の人生そのもの」と語った香取慎吾のように、業界関係者からもリアリティが高く評価されている。その意味で、「2.5次元舞台編」は人気作品の舞台化・映像化にかかわる原作者と制作サイドのすれ違いや苦悩が描かれており、関係者それぞれが強いこだわりを持つ「ものづくり」の現場を追体験することができる。ヒリつく展開のなかで、果たして舞台は無事上演され、成功するのかーーという“お仕事系漫画”としての面白さがあるといえるだろう。

 さらに、キャラクターたちの魅力を深掘りするエピソードでもある。本領発揮となる黒川あかねはもちろん、子役として大成しながらくすぶっていた有馬かなの俳優としての魅力が再発見され、作品を大きく盛り上げるふたりのライバル関係がさらに強調される。そしてもうひとり、かつては絵に描いたような大根役者で、“印象的なモブキャラ”でしかなかった鳴嶋メルトが覚醒し、その後の物語のピースになっていくのも見逃せない。非凡な才能を見せるアクアや舞台の原作者や演出家も含め、誰を主人公に据えても成立するような見応えのある内容になっている。

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