アオアシ、ジャイキリ、ブルーロック……人気漫画から考える、躍進続く日本サッカーの“世界との距離”
“サッカー後進国”と呼ばれた時代から世界一のビジョンを見据えた『キャプテン翼』
昨今人気を博しているサッカー漫画を幾つかピックアップしただけでも、日本と世界との差は確実に縮まっていることを想起させてくれていると感じていただけたことだろう。ただ、そのような展開は日本がW杯でFIFAランキング上位の強豪国を破ったという事実を経験した我々だからこそ、リアリティを持って受け入れられている部分は少なくないのではないだろうか。
ここで、1つの作品に触れておきたい。連載開始から40年以上の歴史を誇るサッカー漫画『キャプテン翼』だ。
日本がW杯に出たことすらない時代から、世界一のサッカー選手になるというビジョンを掲げ続けてきた主人公、大空翼。強豪国の一流プレーヤーと対峙しても物怖じせずに渡り合うことのできるマインドは、日本サッカー黎明期から「世界一」を合言葉にし続けてきた『キャプテン翼』という作品の土台の上に成り立っているのではないだろうか。
大空翼がブレることなく掲げてきた「日本をW杯で優勝させる」という壮大な目標が、時を経て現実の世界でも確実に近づいている。夢を描き、言葉にし続けることの大切さを我々は漫画から教えてもらっている。今一度、各作品を振り返って「世界との距離感」の変化を考えてみることもまた、今の、サッカー漫画の楽しみ方ではないだろうか。