【漫画】住宅街の片隅で“セーブポイント”を発見した少年、その後の人生は……SNSで公開された短編漫画が深い

キッカケはあのホラーゲーム

――今回『セーブポイントに出会うということ』を制作した経緯は?

泉:連載が終わって時間に余裕が生まれたので、以前から考えていた短編をいくつか描こうと思いました。「ちょっと怖い話にしたい」と思って進めたのですが、それが今まであまり描いたことのない作風になり、なかなかネームが固まらずに苦労しました。

――“なぜかそこにあるタイプライターをセーブポイントと思い込む”という設定は、あのホラーゲームからの着想ですね。

泉:『バイオハザード』で、タイプライターを使ってセーブするというシステムとなっているのですが、これが子どもの時から好きでした。「もしも自分が路上でタイプライターを見つけることがあれば、絶対にセーブポイントを思い起こすだろうな」という発想から生まれた作品です。

――その発想からどのようにしてストーリーを作り上げたのですか?

泉:セーブポイントに憧れる一方、実際に出会っても自分は怖くて使えないという心理をそのまま漫画にしました。

――子どもは街中のあらゆるものをゲームやアニメに登場した“何か”と関連付けて勝手に妄想するものだと思います。泉さんはどうでしたか?

泉:子どもの時は童話的なメルヘンへの憧れが強く、「ここを通れば異世界に行けるかも」というような空想が好きでした。例えば、児童文学の『ナルニア国物語』のように「クローゼットや押し入れの奥がどこかに繋がってほしいな」と思っていましたね。

――序盤はポップな雰囲気でありながらも、ラストに少しだけホラー的な怖さを覗かせる展開感も面白かったです。

泉:実際に怖いことが起こらなくても「もしかしたら」と思うだけで恐怖は感じますよね。平凡な日常の中にひっそりと感じ続ける不安を描きたく、なるべくポップで明るい雰囲気にしてみました。

――最後に連載漫画、SNS用のショート漫画など、どのように漫画制作を行っていく予定ですか?

泉:現在は次回作のアイデアを練っているところです。SNSでもまた短編を載せられたらと思いますので、引き続き読んでもらえると嬉しいです。

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