【ライトノベル最新動向】『わたしの幸せな結婚』14週連続1位を達成! 『魔法科』『とある』のスピンオフも

 8位は、『小説版ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 紅蓮の剣姫~フレイムソード・プリンセス~』(電撃文庫)。ゲームやアニメで展開中の『ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』の小説版で、登場キャラクターの優木せつ菜がこよなく愛する大人気ライトノベル『紅蓮の剣姫~フレイムソード・プリンセス~』を題材に、ミニフィルムを撮ることになって起こるエピソードがつづられる。

 10位は、TVアニメ化が決まった菊石まれほのシリーズ最新刊『ユア・フォルマVI 電索官エチカと破滅の盟約』(電撃文庫)。人の脳に巡らされた“糸”に潜って記憶をさぐり、事件を捜査する電索官のエチカと、相棒で“アミクス”と呼ばれる人間とそっくりなロボットのハロルドが、「同盟」と呼ばれる組織の謀略に迫っていく。アシモフの『鋼鉄都市』を思わせるSFでありミステリーとしてマニア心をくすぐっているシリーズだけに、TVアニメ化をきっかけに盛り上がれば、“わた婚”と同様に過去作も含めてランキングに並ぶこともありそうだ。

 シリーズ全体で動きが見られる作品が、久川航璃『拝啓見知らぬ旦那様、離婚していただきます』シリーズ。2022年1月発売の『拝啓見知らぬ旦那様、離婚していただきます〈上〉』(メディアワークス文庫)が23位に入り、以下『Ⅱ〈上〉』が26位、最新刊にあたる7月24日発売の『Ⅱ〈下〉』が29位、第1巻の『〈下〉』が31位と既刊分がそろってランキングに顔を出した。

 政略結婚で伯爵家の長男のアナルドに嫁いだバイレッタだったが、夫の顔を1度も見ないまま8年が経ち、戦地から戻ってきた夫に離婚を申し出る。アナルドも最初はバイレッタに興味を抱いていなかったが、ある出来事を通してお互いに興味を抱くようになる。

 すれ違いから始まって関係を深めていく展開には、『わたしの幸せな結婚』と重なるところがありそう。商才と武芸に長けていることから「悪女」呼ばわりされるバイレッタのキャラクターも“悪役令嬢もの”に通じる。人気の2つの要素を合わせ持ち、紆余曲折のストーリーで楽しませてくれるところに、高まる評判の理由がありそう。ポスト“わた恋”の最有力候補か?

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