『ザ・ファブル』ドランククイーンからクリスマス会まで、アニメ化決定で楽しみな“ヨウコの名場面”

田高田社長(タコちゃん)への純愛

 ヨウコに言い寄ってくる男は多そうだが、決して恋愛強者というわけではない。生い立ちから父性を求めている部分があるのか、離婚経験のあるさえない中年である「タコちゃん」こと田高田に惹かれているのも、どこか不完全でチャーミングなイメージにつながっている。

 アニメ第一期で物語がどこまで進むかは不明だが、ぜひ観てみたいのが、13巻に収録された「クリスマス会」での一幕だ。本作で“泣けるエピソード”を選ぶなら、この回を挙げるファンは多いだろう。

 テキーラで田高田を酔いつぶして遊ぶヨウコ。ドランククイーンとして対峙した高橋も、河合も下心があり、酔いで空回る姿を見て爆笑していたが、田高田は少し違うようだ。絵に描いたような泥酔状態でひとしきり笑わせたあと、寝たふりをするヨウコに近づく田高田。「ウィ〜〜〜〜」と声にならない声で気合いを入れ、ヨウコを運び、布団をかけて頭を「ぽんぽん」と撫でるのだった。

 ヨウコはその背中に亡き父親の姿を重ね、田高田に惹かれていく。このしっとりと優しいエピソードも、ぜひアニメで観てみたい。

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