『HUNTER×HUNTER』「クラピカ追憶編」発売で再注目……クルタ族の惨劇に隠された疑惑とは

真犯人は幻影旅団ではない?

 しかしこうした考察は、あくまで幻影旅団がクルタ族を滅ぼしたという前提があって成り立つものだ。まずその前提に誤解があり、メッセージを残したのは幻影旅団ではなく流星街の組織だった……と解釈することもできるだろう。

 過去にはウボォーギンがクルタ族との戦闘経験を仄めかしていたため、両者に接点があったことは間違いないが、事件の裏には複雑な事情があるのかもしれない。

  さらに読者の間では、クルタ族襲撃事件の黒幕として、「暗黒大陸・王位継承編」に登場するツェリードニヒの名前を挙げる人も。彼は芸術という名目の人体収集を趣味とする危険人物で、緋の眼を大量に所有している。

  何より特筆すべきは、ツェリードニヒの所有物として、クラピカの親友・パイロらしき生首が描かれていたことだ。そして彼の守護霊獣のデザインにも、パイロによく似た顔が組み込まれていた。

 また『クラピカ追憶編』では、クルタ族への拷問が熾烈を極めたことが綴られていたが、ツェリードニヒは作中でもっとも残虐なキャラクターの1人。逆に幻影旅団は過剰に残虐性を発揮するイメージはない。

  ツェリードニヒが緋の眼を集めるため、裏で糸を引いて流星街とクルタ族の対立をけしかけた──。あるいはそんな説も考えられそうだ。

 現在『HUNTER×HUNTER』は連載休止に入っているが、再開した際には幻影旅団とクラピカ、ツェリードニヒに焦点を当てた話が描かれるのではないだろうか。連載再開の日まで、事件の真相について想像を膨らませておこう。

 

関連記事