『JOJO』岸辺露伴はいつからチート級能力者に? 「ヘブンズ・ドアー」成長の軌跡

 現在公開中の実写映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』で主役を務めている岸辺露伴は、元はと言えば『ジョジョの奇妙な冒険』の第4部『ダイヤモンドは砕けない』に登場した人気キャラクターだ。

 原作では「ヘブンズ・ドアー」という非凡なスタンド能力の持ち主だが、その軌跡を振り返ってみると、彼が目覚ましい成長を遂げてきたことが分かるだろう。

  「ヘブンズ・ドアー」は対象を本に変え、そこに記された人生の体験を読み取る能力。さらにページへと指示を書き込むことで、行動や記憶を思い通りに制御できる。どう考えても強力極まりないものの、当初はそれに見合った厳しい発動条件が課されていた。

 能力が初めて作中でお披露目されたのは、『漫画家のうちへ遊びに行こう』の一連のエピソード。広瀬康一と間田敏和が犠牲となったが、この時点では露伴が連載している漫画「ピンクダークの少年」の生原稿を読ませることが条件となっていた上、波長が合う人間しか対象にならないという制限まで付いていた。

 また、能力の発動には生原稿を数ページ分読ませる必要もあったのだが、同エピソードのなかで条件が変化。康一の記憶を読むことによって漫画家としてもスタンド使いとしても成長し、原稿を1コマ見せるだけで本に変えることが可能になったのだ。

 さらに「ヘブンズ・ドアー」の成長は止まらない。作中時間で約1カ月が経過した『岸辺露伴の冒険』の回では、より発動条件が緩和されることに。空中に指で「ピンクダークの少年」の主人公を描き、それを見せるだけで杉本鈴美を本に変えていた。

 そして第4部が完結する頃には、人型スタンド能力のようになっており、相手に絵を見せる必要すらなくなっている。また「ハイウェイ・スター」の回では、波長が合わないはずの東方仗助に指示を書き込んでいるシーンもあった。

 こうして「ヘブンズ・ドアー」は、相手に触れるだけで勝利が確定するような強力無比なスタンド能力へと至ったわけだ。

止まらない「ヘブンズ・ドアー」と岸辺露伴の成長

 目覚ましい進化を遂げた「ヘブンズ・ドアー」だが、その成長性はまだ天井を迎えていないのか、スピンオフ作品『岸辺露伴は動かない』ではさらなる変化が見られた。

 そもそも「ヘブンズ・ドアー」が本に変えられるのは生物にかぎられており、たとえば死体から情報を読み取ることはできなかった。しかし単行本の2巻に収録されているエピソード『月曜日 天気-雨』では、あろうことか調理済みのフライドチキンに能力を発現させている。

 これは「生きている物」という定義が拡大し、命がなくとも“料理”であれば能力の適用範囲になったということだろうか。なお、本になったフライドチキンには原材料名や原産地、消費期限切れまでの残り時間などが記されていた。

 こうした「ヘブンズ・ドアー」の進化は、露伴の精神的な成長が引き金となっている印象だ。最初こそ知的好奇心だけに突き動かされていたが、物語の途中からは命の恩人である鈴美への想い、そして杜王町を守ろうとする正義の心などが芽生えていたため、それに呼応して能力が強化されていったのかもしれない。

 露伴と「ヘブンズ・ドアー」の能力は、どこまで進化を続けていくのか。今後のスピンオフ作品にも期待が高まるばかりだ。

関連記事