漫画家に負担が大きすぎる週刊連載は本当に必要か 部数減少が続く少年漫画誌はどうなっていく?
月刊連載なら無理のないペースでできる
これまで、漫画家の間には「週刊連載がないと漫画が描けない」「毎週1回の締切があるスリリングな状況だからこそアイディアが浮かぶ」という意見もあった。漫画家によって執筆のペースは異なるため一概に何が正しいとは言えないものの、実際に週刊連載を経験したことがある漫画家がこう語ってくれた。
「自分もそうですが、多くの漫画家さんはアーティストだと思う。締切がないと、際限なく手直しをしてしまうでしょう。大前提として、ある程度の妥協点を見出して、創作に区切りをつけるために締切は必要だと思います」
しかし、そんな漫画家でも「週刊連載はハイペースすぎてキツイ」「二度とやりたいとは思わない」と言い、このような提案をする。
「これが半年に1回、年に1回だと間隔があきすぎて、数か月はきっと遊んで終わっちゃう。週刊はハイペースすぎるけれど、1ヶ月に1回とかならアリなんじゃないか。要は月刊連載のペースなのだけれど、インプットとアウトプットのバランスがちょうどいいと僕は思う」
ちなみに、この漫画家が危惧することがある。「週刊連載の漫画家と同じ状況に陥っているのがYouTuber」なのだという。
「誰とは言えませんが、動画を毎週何本もUPしているYouTuberは明らかに疲弊しているし、顔色が悪く、さらに投げやりな企画が目立つ例もあります。果たしてYouTuberはどこまで続けられるんですかね。倒れなければいいのですが…」
第一線で活躍するクリエイターにスピーディーな更新が求められる状況は変わらないのかもしれないが、果たして漫画の週刊連載は必要なのか。様々な方面から議論が起こるべき時期に来ているのではないだろうか。連載中に血を吐いた、何日も徹夜をしたなどのエピソードは、かつては漫画家自身もネタや武勇伝として語っていることがあったが、現代ではそうもいかない。漫画家の働き方改革も急務と言っていいだろう。