2023年本屋大賞、凪良ゆう『汝、星のごとく』に決定 インタビューで語っていた本作へ込めた想い

 第20回目となる「本屋大賞」の発表会が2023年4月12日13時から明治記念館・富士の間にて開催され、凪良ゆうの最新作『汝、星のごとく』(講談社)が受賞をした。

 著者の凪良ゆうは、2020年にも『流浪の月』で本屋大賞を受賞。3年ぶりの再受賞は、最短となり史上初の快挙となる。

 『汝、星のごとく』はこれまでにも「2022王様のブランチBOOK大賞」や「キノベス!2023第1位」など数々の賞を受賞。現在7刷40万部を突破している人気作だ。

 本屋大賞とは、NPO法人本屋大賞実行委員会が主催する全国書店員の投票で、“いちばん売りたい本”を選ぶ賞で、今回で20回目。新刊書の書店(オンライン書店含む)で働く書店員の投票で受賞作を決定しており、過去一年の間、書店員自身が「自分で読んで面白かった」「お客様にも薦めたい」「自分の店で売りたい」と思った本を選び投票する。

  今回の「2023年本屋大賞」では全国の書店員615名の投票により、一次投票がされて、二次投票を経て、今回の大賞作品が決定した。

 リアルサウンドブックでは、凪良ゆうに『汝、星のごとく』のインタビューを行なった際、「これまでの小説の中でも、一番濃く自分が出ている」と語っており、凪良自身の自己投影が最もされた一冊となっている。

凪良ゆう『汝、星のごとく』インタビュー全編はこちら

凪良ゆう「人間の中にある善も悪もフェアに書きたい」 恋愛を通して描いた人生の物語

約2年ぶりとなる凪良ゆうの新作長編『汝、星のごとく』(講談社)が刊行された。2020年の「本屋大賞」を受賞した『流浪の月』、そし…

 『汝、星のごとく』は、瀬戸内の島で出会った暁海と櫂、二人の高校生が互いの孤独や欠落を補うように惹かれ合い、やがてすれ違いながら時を重ねる、15年にわたる物語が描かれる。まだ未読の方はぜひこの機会に読んでみてはいかがだろう。

 今回のノミネート作品は下記の通り。

■2023年本屋大賞ノミネート10作(作品名五十音順)

「川のほとりに立つ者は」寺地はるな/双葉社 
「君のクイズ」小川哲/朝日新聞出版 
「宙ごはん」町田そのこ/小学館 
「月の立つ林で」青山美智子/ポプラ社 
「汝、星のごとく」凪良ゆう/講談社 
「方舟」夕木春央/講談社 
「#真相をお話しします」結城真一郎/新潮社 
「爆弾」呉勝浩/講談社 
「光のとこにいてね」一穂ミチ/文藝春秋 
「ラブカは静かに弓を持つ」安壇美緒/集英社

 書店には多くの人たちに読んでもらいたい一冊を真摯に届けたいという書店員たちの想いが詰まっている場所だ。書店閉店のニュースが連日報道されているような状況だが、これを機にぜひ書店に足を運んで、思いもかけないような本に出合い、読書の楽しさを味わってみてはいかがだろうか。

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