一見上手な“狂犬男子”のイラストがプロの添削で激変……ポケカ公認イラストレーター・さいとうなおき氏が再スタート

 ポケモンカード公認イラストレーターで、イラスト上達法に関する多くの著作を持つさいとうなおき氏が、YouTubeで新たなスタートを切っている。

 さいとう氏は2019年10月1日にYouTubeチャンネルを開設し、初心者講座のほか、視聴者のイラストに対して上達のための具体的なアドバイスを送る「気まぐれ添削」シリーズで人気を高め、130万人のチャンネル登録者を抱えていた。しかし、3月に原因不明のチャンネル削除を受け、ファンにも動揺が広がっていた。さいとう氏が身に覚えがないと語るように、視聴者にとっても不適切と思われる動画の記憶はなく、現在も原因は定かではない。いずれにしても、多くのクリエイターにとって教科書のような存在だった動画が視聴できなくなったことは、4年間YouTubeに注力してきたさいとう氏はもちろん、そこでイラストを学んできた視聴者にとっても大きな損失だった。

 そんななか、さいとう氏は新たなチャンネル「さいとうなおき2」を開設。多くの視聴者や企業、仲間のイラストレーターから応援を受け、再スタートを切っている。最新の「気まぐれイラスト添削」シリーズの動画は「【気まぐれ添削118】キャラがパッとしない理由」と題されたものだ。

【気まぐれ添削118】キャラがパッとしない理由

 詳しくは実際に動画を視聴していただきたいところが、その内容は相変わらず、イラストを応募したクリエイターに寄り添いながら、プロならではの鋭いアドバイスを送るものになっている。

 今回添削したイラストは、ペンネーム・まろさんによる「狂犬男子」。とても中学生とは思えないクオリティだが、「他の人のイラストと比べると何だかパッとしない」と思え、自分では解決方法が見つからないため、さいとう氏に依頼したのだという。そんな悩みに対して、さいとう氏は「雰囲気もキャラクターもいいのに、いまいちパッとしない理由は、イラストにピントが合っていないからです」とズバッと指摘した。

 さいとう氏はこれまでもたびたびそうして見せてきたように、キャラクターと同じポーズで自身の写真を撮り、口元や首筋にできた実際の影を参考に、絵にもリアリティを持たせていく。デジタルツールを使ってイラストを調整していくと、一見すでに上手だった作品が、見違えるように変わっていくことがわかる。影をつけて立体感を強調し、ピントが合った部分、つまり目を置けるポイントを作っていくのが巧みだ。

 素人にはわからない上達のポイントや、言語化できない違和感を解消する技術を伝えているさいとうなおき氏。イラストレーターを志す初心者、あるいはさらなるステップアップを目指すクリエイターはもちろん、美麗のイラストがどんな発想や技術で出来上がっているかを知りたい人も、この機会に応援の意味も込めて、チャンネル登録してみてはいかがだろう。

■参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=f92rMf82xt0

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