【漫画】地球滅亡まであと20分、教室にふたり……多感な中学生男女の青春が切り取られたSNS漫画が切ない

「純粋で初々しい感じにしたかった」

――『滅亡までの20分』制作した経緯を教えてください。

山田:「何を描こうか」とボーッと過ごす期間がありました。都市伝説が好きでよく調べるんですが、「そういえば世界滅亡系の漫画描いたことないな~」という軽い気持ちから描き始めました。制作自体は1〜2日程度でした。

――登場人物にモデルはいましたか?

山田:特にモデルはいません。最初の部分とオチだけ決めていたので、これに合わせて登場人物を作りました。高校生にするかどうか迷ったのですが、純粋で初々しい感じにしたかったので中学生にしました。

――「私と一緒だね」と口にするシーンやキスシーンなど、感情が動くシーンは余白を使用する演出が多く見られました。

山田:余白があると想像の余地が生まれるので、「読んだ人それぞれの感情の受け取り方をしてほしい」と思って使用しています。あとキャラや空間が際立つのでただただ好きな演出です!

――鈴木にだけループした時の記憶がやんわり残っているように思いましたが、清水もすぐにキスを受け入れたところを見ると、「2人ともやんわりと記憶を維持した状態でループしているのかな?」と感じました。ラストの表現について教えてください。

山田:鈴木には記憶がずっと残っていて、清水には記憶がなくて完全に前の状態に戻っています。ですが、清水には何かしら感じるものがあったのかもしれませんね。また、ラストの表現に正解はなく、読者それぞれの見方で感じてほしいです。

――今回「一度ボツにしたけれどもアップした」とのことですが、そもそもなぜ一度ボツにしたのですか?

山田:普段はホラーや少しグロい漫画を描いているので、自分としては爽やかになり過ぎた作品はボツにしました。ただ、今回アップしてみて好意的な声が寄せられたので、「今後もたまにこういう作風で描いてみよう」と思います。

――ツイートには約1500の「いいね」がつくなど好評でした。どこに本作を楽しむ人が多かった要因とお考えですか?

山田:まず“世界滅亡”という分かりやすいシンプルなテーマ、さらには恋愛要素など読みやすい雰囲気があったからなのかなと思います。また、2人の心情やループなど考察できるポイントがあったことも良かったのかなと。

――最後に今後の活動について教えてください。

山田:現在次回作の連載企画を練っているので、まだ少し時間はかかりますが楽しみにしてもらえればと思います! Twitterでもいろいろお知らせしますので、良かったらフォローしていただければ……。また、講談社から『初恋は血の味がする』全二巻も発売中ですので、そちらもよろしくお願いします。

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