暴走族漫画の金字塔『特攻の拓』復刻版が重版決定 なぜ「ブッコミ」は現代でも人々を魅了する?
1990年代の暴走族漫画の金字塔『疾風伝説 特攻の拓』の復刻版が、2月20日より毎月2冊ずつ刊行されている。このたび、2月20日に発売されたばかりの1巻、2巻が出版社も驚く売れ行きのため重版が決まった。
【写真】見ているだけでテンション上がる! 付録の特製「ブッコミ」ステッカーや復刻版の各表紙
原作の佐木飛朗斗と漫画(作画)の所十三の黄金コンビによる『特攻の拓』は、1991年から1997年まで「週刊少年マガジン」で連載され、単行本は全27巻。これまでにシリーズ累計3,300万部を刊行した大ヒット作である。
『特攻の拓』は世代を超えて熱狂的なファンが多く、「“待”ってたぜェ!! この“瞬間”をよォ!!」「“事故”る奴は・・・・“不運”(ハードラック)と“踊”(ダンス)っちまったんだよ・・・・」など、キャラクターが発する独特のセリフは、ネット民の間で定着している。今回の復刻版の刊行と、重版の決定で、変わらない人気の高さを裏付けることなった。
若い世代からも支持を集めるのは、個性が強いキャラクターをはじめ、少年漫画の王道といえるストーリー、そして何より仲間との友情を描いている点が共感を呼ぶからではないだろうか。こうした普遍的な内容ゆえ、世代を超えて読み継がれるのだと思う。
今回の重版に際し、「月刊ヤングマガジン」チーフでヤングマガジン編集部の桂田剛司がコメントを発表した。
「四半世紀以上も前に連載を終了した作品にもかかわらず、売れ行き好調で重版がかかったことを嬉しく思います。SNSやYouTubeで『ブッコミ』のおもしろさについて語っていらっしゃる方が多く、今回の『復刻版』は、その方々の熱い声に後押しされるような形で刊行できました。ただ本作には"時代(とき)"を超えて楽しめるおもしろさや著者のメッセージが内包されています。ぜひ令和の若者たちにも『ブッコミ』を読んで、ファンになっていただきたいです」
こう桂田が話すように、『特攻の拓』をリアルタイムで読んだ世代はもちろん、今回初めて知った若い世代からも支持を集めているのが重版の決め手のようだ。また、引っ越しなどで単行本を一度手放してしまった人が、再び買い求めている例もあるようだ。
先日は『特攻の拓』と『東京卍リベンジャーズ』のコラボ広告が渋谷の街をジャックし、大きな話題になったばかりだが、「月刊ヤングマガジン」でも“特攻(ブッコミ)祭り”と題した企画を開催している。2月21日に発売された「月刊ヤングマガジン」第3号には『特攻の拓』第1話が再掲載さて、特製「ブッコミ」ステッカーが付録になっている。しかもこの先、4号連続で『特攻の拓』が1話ずつ掲載され、ステッカーも付く。スケジュールは以下の通りだ。
・月刊ヤングマガジン第4号:3月22日(水)発売 第2話掲載
付録第2弾:獏羅天&朧童幽霊&外道ステッカー
・月刊ヤングマガジン第5号:4月20日(木)発売 第3話掲載
付録第3弾:麓沙亜鵺&夜叉神&極悪蝶ステッカー
・月刊ヤングマガジン第6号:5月18日(木)発売 第4話掲載
付録第4弾:蠅王&美麗&魔覇裸邪ステッカー
※発売日は現時点の予定で、変更になる可能性あり。
実際のステッカーは非常にクオリティが高く、スマートフォンやノートパソコンなどにさりげなく貼ってみてもいいのではないか。『特攻の拓』は幅広い世代にファンが多く、暴走族漫画のイメージとは異なる“真面目”で“お堅い”職業の人にもファンがいる。ステッカーはひょっとすると、仕事で会話の糸口になるかもしれない。
ちなみに、最新号にステッカーが付く「魍魎」は、「“待”ってたぜェ!! この“瞬間”をよォ!!」の名言で有名な一条武丸率いる暴走族である。ぜひ、この機会に暴走族漫画不朽の名作を手に取ってみてはいかがだろうか。