【LINEマンガ】最注目のBL作品『ちりぢりゆくの』感情をとことん揺さぶられる“散る”ことの切なさと美しさ
LINEマンガで好評連載中のBL(ボーイズ・ラブ)作品『ちりぢりゆくの』が、読者の感情をジェットコースターのように揺さぶっている。
ハチャメチャに思える設定に興味を惹かれ、フルカラー&縦読みの「webtoon」ならではの美麗なビジュアルに魅せられているうちに、いつの間にか感情移入して、切なく胸を締めつけられる本作。特に「BL」というジャンルを愛好する読者にとっては、「ひとつぶで何度でもおいしい」作品だといえるだろう。
超絶美形な男子高校生・久野シオは、宇宙人と地球人のミックスで、「欲情すると体がゲル状になって“散る”」という特異体質の持ち主。外見上は明るくおバカなキャラクターだが心に傷を抱えており、それを紛らわせるように、「SNSでバズるネタ」としてシオを追いかける女子たちを相手に“散る”毎日。その度に全裸になられてはたまらない……という学校側の事情もあり、シオは全寮制の男子校に転校することに。過去のトラウマから男子を避けているシオだったが、お目付役として相部屋になった強く優しいクラス委員・相馬湊に支えられ、恋に落ちていくーー。
どんな設定も飲み込み、多種多様なサブジャンルが生まれているBLというシーンのなかでも、目を引く導入だ。“散る”ことはシオにとって快楽であり、しかし周囲の人々と自分を残酷に隔てる壁であり、トラウマの源泉でもある。セクシーでおバカな描写だと思いながら読んでいると、シオの生い立ちや性格を理解していくうちに、これが切なく美しいシーンに見えてくるから不思議だ。
それがさらに「愛する人と触れ合うことができない」という新たな悩みに繋がっていくのだから、作者の物語力の高さに感心させられる。ギャグにもできれば、シリアスにもセクシーにも捉えられる、よくできた設定なのだ。
もっと言えば、直接的な性描写が自然と控えられるため、BL作品に関心を持ち始めたばかりの初級者や、ピュアなラブコメが好きな読者も含め、幅広いファンを獲得し得る作品になっている。もっとも、そのことで物足りなさが生じることはなく、触れたくても触れられないもどかしさや、少しの接触がかえって刺激的に感じられる。サービスシーンの質も高く、ちゃんとエロティックだ。
昨年11月にスタートしたばかりの新作なので、具体的なネタバレは控えるが、上記のような設定と、読者の好評を集めている優れたビジュアルだけで、推し作品に加える読者もいるだろう。何より、“繊細な怪獣”ともいうべきシオのキャラクターがかわいらしく、誠実で芯がしっかりした相馬がダンディで、器用になれない二人の関係が愛おしい。現在16話まで配信中。2月22日(水)に配信される17話からは新章が始まるといういま、乗り遅れないうちに最新話に追いついておこう。「ちりぢりゆくの」はLINEマンガで毎週水曜更新だ。
■『ちりぢりゆくの』を早速読んでみよう!
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