【漫画】母親の何気ない一言が“呪い”に……SNS漫画『自分の「好き」を大事にしたくなった日』に共感の声

漫画で何を伝えたいのか?

――『自分の「好き」を大事にしたくなった日』を制作した経緯など教えてください。

松島:本作は2年前に制作しました。当時は「漫画を描きたい、漫画をいつか仕事にしたい」と思いつつ、それまでまともに読み切りを描いて切ることはできませんでした。ただ、2019年の年の瀬に、「来年は読み切りをたくさん描こう!」と思い立ち、2020年の初めごろにできた作品です。

――題材はどのようにして選んだのですか?

松島:「初めての読み切りだから短めの16ページのものにしよう!それならヒューマンストーリー系かな~」と考えて内容を練りました。ただ、感情移入できるキャラクターがなかなかできず、自分で決めた締切もどんどん近づき、「どうしよう!」と勝手に追い詰められていました。ただ、その時にふと「漫画で伝えたいことってなんだろう」ということに立ち返ることができました。

――漫画を描くことそれ自体と向き合ったのですね。

松島:はい。自分は好きなものを「好きだぁ!」と主張することが苦手で、もっと好きなことを「好きなんだぁ!」と人の前で言えるようになりたいと思っていました。そこで、シンプルにその「『好きなものを好きと言えるようになりたい』と思いを漫画にしてみたらどうだろう?」「意外と漫画として成立するのでは?」と思って描き進めていき、この作品が生まれました。

吾妻のモデルは?

――近森同様、松島さんも親から服装のダメ出しをされた経験はあるのですか?

松島:オシャレに関しては昔から母に言われていましたね。母は可愛い服を着せたかったようですが、私はカッコ良い系が好みなので、服選びの際はいつもバトルでした(笑)。母とは仲良しではあるのですが、服についての喧嘩中、「好きな服と似合う服は違う」と言われたことがずっと引っかかっていました。その時はあまり気にしていなかったのですが、大人になって人目を気にするようになってから、「この言葉って割と後を引くものだな」と思って“どんな服を着るか”を題材に選びました。

――吾妻にはモデルがいたのですか?

松島:吾妻は今まで出会った複数人の友達や同期複数人から少しずつエッセンスをもらいました。学生時代は特に話したことがなかったけど会社が一緒になって、初めてちゃんと話して考え方を知った同期、しっかりとした“自分”のある部活の友達、昔は絶対関わることがないと思っていたけど飲み会でわーきゃー話して楽しかった職場の子などです。それぞれの知人・友人との出会いが面白かったし、関わる中で考え方を変えてもらうこともあったので、この人達との出会いをぎゅっとまとめてみました。

――どのようなメッセージを本作に込めましたか?

松島:自分の好きなものを胸を張って「好き」と言えるキッカケになれば嬉しいです。また、自分の経験を振り返り、自分とは異なる価値観を持った人の言葉から、いろいろな気付きをもらうことがよくありました。「自分と同じ考え方をする人だけではなく、勇気を出していろんな人と関わってみてほしい。それを近森さんを通して感じてほしい」と思って吾妻を登場させました。

2年前の自分を褒めたい!

――本作を描いたのは2年前とのことですが、現在本作を読み返してみてどのように感じましたか?

松島:リメイクしたいと思ったことは何回もあります! 特に絵とかコマ割りとか(笑)。ただ、「この漫画はこの絵でこのコマ割りだから伝わった部分もあるのかな?」と思うようになり。このままの状態で残しておこうかなと思っています。また、このお話をよく16ページに収めた当時の自分を褒めたいです(笑)。

――今後はどのように活動したいですか?

松島:現在、“ネーム構成”というシナリオをマンガの形に構成する仕事をさせていたただいているのですが、自分の考える物語とは違う世界を見せてもらえるため、めちゃくちゃ勉強になるし楽しいです! ちなみに、現在ネーム構成で関わらせていただいている作品『生贄姫の毒は勇者の愛に溶かされて』(制作:SORAJIMA/SME 原案:つるこ。)がcomicoで連載中です! 悲しい役目を背負った主人公のアンジを、「頑張れ!」と応援しながらネーム作成しているので、みなさんも一緒にアンジを応援していただければ嬉しいです!!

 もちろん、自分自身の考えた物語での商業連載、 サービスや商品の広告漫画なども任せられるような漫画家になりたいです。そのためにも、これからもたくさん面白いマンガを描けるよう頑張ります!!!

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