【漫画】週末の趣味はソロキャンプならぬソロダンジョン? 少女がダンジョン攻略を満喫するSNS漫画が話題


ーー本作を創作したきっかけを教えてください。

早神あたか:現在ファンタジー系Web小説のコミカライズを担当しているのですが、どんどんと新作を書き上げる小説家さんたちの様子からバイタリティやハングリー精神を感じていました。そんな方々と触れ合うなかで自分もオリジナル漫画を描きたいと思うようになりました。

 ただ2年ほどはオリジナル漫画を描けずにいたのですが、SNSにて“24時間で1冊の本(同人誌)をつくる”という企画をやられている方がいて、これなら連載の合間でもできるかもと思い挑戦してみることにしました。本作はその中で生まれた作品の1つです。

ーー趣味としてダンジョン攻略を楽しむというアイデアを思い付いた背景は?

早神あたか:漫画『空挺ドラゴンズ』(作:桑原太矩)を読んだときに、ファンタジー作品を描いている人はゲームをしている感覚というよりも仕事をしたり食欲を満たしたりといった実際に暮らしているかのような感覚を大事にして作品を描いていることを感じました。そのなかで冒険を趣味として楽しんでいる人もいるんじゃないかと思い、“ダンジョン攻略を趣味にしている人”というイメージで作品を描いてみようと思いました。

ーー「やっぱりダンジョンって/趣味っていいな!」という台詞は本作を象徴しているかと思います。

早神あたか:社会人になって会社勤めをしながら漫画を描いてきたのですが、週末になると漫画を描くことを楽しんで、出勤日が近づくと仕事のことを考えつつもっと漫画を描きたいと思うことが多くありました。趣味が楽しいほど仕事に行くことが嫌だなと思うことは多くの人が経験のあることだと思い、この心情が作品につよく出るように意識しました。

ーー装備を選ぶことや料理することも含め、主人公がダンジョンを楽しむ姿が印象に残っています。

早神あたか:たまにキャンプや料理の動画を見るのですが、冒頭で道具や材料など使用するものを細かく紹介する動画が多いです。そういった動画の存在から、本作の冒頭でも主人公はどんな道具を持っているかということを描きたいと思っていました。

 料理に関しては単純に私がこれを食べてみたいと思いながら料理を描きましたね。もちろんダンジョンを攻略している最中なので、手軽に美味しく食べれることを意識しました。

ーー漫画を描きはじめたきっかけを教えてください。

早神あたか:小学生の頃にクラスで漫画を描くことが流行り、私も漫画を描いていました。ただ少女漫画を描いていた周りの子たちに対し、自分はファンタジー漫画を描いていました。絵に自信がなかったこともあり、自分の作品を誰かに見せることはなかったです

 中学時代には漫画研究会に所属しオリジナル作品を描き続けていたのですが、社会人になる頃にゲーム『うみねこのなく頃に』(作:07th Expansion)と出会ってから二次創作の同人作品を描くようになりました。この活動があったからこそ、社会人になっても漫画を描き続けることができたのだと思います。

ーー仕事などで忙しいなか創作活動を続けられた理由は?

早神あたか:私自身、物語をアウトプットすることが好きなのかなと思います。絵を描くこと自体はそんなに好きではないと思うので。ただ小説に挑戦してみようと思ったこともあったのですが文章を書くことができず、絵を描くことは嫌いではなかったので漫画を描くことは続けられたのかと思います。とにかく頭の中にある物語をアウトプットする方法が欲しくて、私は漫画を選びました。

 最初は“こんなお話を描きたい”というよりも“こんなお話を読みたい”という欲が頭の中に溜まっていき、お話の細部を考えていくなかでひとつの物語くらいの大きさとなったら、その物語を読むために作品としてアウトプットしているという感じです。

ーー今後の目標を教えてください。

早神あたか:24時間内で作品を作る挑戦を続け、現在10作まで完成しています。1年で12作つくりたいので、今年中に残り2作を描き上げたいです。また現在コミカライズを担当している『前世は剣帝。今生クズ王子』(原作:アルト キャラクター原案:山椒魚)の仕事もしっかりとやりきりたいです。

 そして編集担当さんと『ソロダン』を連載作品として企画書をつくりたいという話もしているので、来年は連載を視野に入れて活動していきたいですね。

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