【こち亀メシ】こんなのあり!? 奇想天外の漫画料理を再現 秋本治の想像力に驚きの声も

 40年の長きにわたり『週刊少年ジャンプ』に連載されてきた『こちら葛飾区亀有公園前派出所』。人気の要因はさまざまあるのだが、そのひとつに常人では絶対に思いつかない発想の料理がある。

 あまりにも個性が強すぎて、若干引いてしまようなものまであるかもしれないが、味は美味しいという声があり、秋本治氏への想像力に対して、尊敬や感謝の言葉を述べるファンもいるほどだ。

 これまでに、数多くの個性的な料理が登場した「こち亀メシ」の中で、特に忘れ難く変わっている個性的な料理を検証したい。

ラーメンパン

 署内で販売を始め麗子の手作りスイーツが大人気に。そのブームに便乗し、両津も手作りパンの販売を開始することになるが、両津は、麗子たちへのライバル意識もあり、次々と変わり種パンを開発する中に登場したのが、ラーメンパン。

 このラーメンパンはこち亀好きにとっては忘れられない料理だったようで、YouTubeでは再現する人もいるほどだ。かなりジャンクな組み合わせで炭水化物多めの料理ではあるが「食べてみたい」といった好意的な声も多く、なかなかチョイスできない組み合わせもこち亀メシの魅力のひとつと言えるだろう。

ダブルせんべいバーガー

 経営不振のせんべい屋を救うため両津が考え出したアイディア商品、ダブルせんべいバーガー。

 ハンバーガーのパンの部分をせんべいにしたもので、ビッグマックのように「せんべい・肉・せんべい・肉」という構成になっている。

 せんべいをハンバーガーに使うのはかなり斬新で、販売される事例はほとんど報告されていないが、パンの代わりに和の食材を用いるという発想は現在広く愛される「ライスバーガー」に通じるものがある。両津の発想は、時代の先端を行っていたといえよう。

ハイテク野菜

 両津と本田が出会った農業を営む男。一見普通のおじさんに見えるが、コンピューター化とバイオ技術で、とんでもない野菜を作っていた。

 まず両津の度肝を抜いたのは、マルチバナナ。バナナの形をしているのだが、皮を剥くとトウモロコシが出現する。しかもピーナッツ味というもので、両津は話を聞くなり椅子から転げ落ち「どうしようもないもの作るな!」と叫んだ。

 また、かぼちゃの形をしているが皮をむくとみかん、しかしよく見ると餃子という代物も。さすがにこのような農作物は現実になっていないが、IT技術を駆使した農業は、一部で進んでいる。

カップ麺を3つ一気に食べる

 カップラーメン好きで知られる両津が見せた究極の食べ方が、3つ一気に平らげるというもの。

 両津はカップうどん、カップヌードル状のラーメン、大きめのラーメンを用意し、一気にお湯を入れ、「カップメン3本立てというか。これが一人暮らしの王道だ」とつぶやいていた。

 ささやかな贅沢ともいうべきカップラーメンの3つ食い。真似をした人もいるが、腹一杯になることを覚悟しなければならない。

ドッグフードのスタミナ料理

 両津が派出所で開発した超スタミナ料理だ。冷蔵庫に入っていた納豆1個、キャベツ半分、ネギ10本、夏みかん2個、さらにドッグフードを集め「炒めりゃなんとかなるだろう、火を通せばバイキンも死ぬ」と言ってフライパンに入れ、ソース・しょうゆ・砂糖・みそ・マヨネーズで味をつけた逸品である。

 このスタミナ料理を、お笑いコンビのFUJIWARAが忠実に再現。ドッグフードもしっかり入れ、口にしていた。顔を歪めながら味わった料理の感想は、かなり意外なものだった。

 再現が難しい料理だが、そのようなものを「思いつく」能力はさすが。作者である秋本治氏の想像力は、今後も色褪せることなく残り続けるはずだ。

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