「週刊少年ジャンプ」ネクストブレイク必至? 『SAKAMOTO DAYS』は今、一番カッコいいアクション漫画だ

 上記のシーンの他にも『SAKAMOTO DAYS』には、魅力的なアクションシーンがたくさん出てくるのだが、共通する魅力は、戦っている地形の活かし方がとても上手いということだろう。

 例えば5巻には、神社で殺し屋同士が戦う場面があるのだが、戦いの中で賽銭箱や鳥居が破壊され、仏像の頭部を蹴って、敵にぶつけようとする場面まで登場する。周囲にある小道具を掴んだり壊したりすると実在感が増して、荒唐無稽なアクションであっても説得力が宿る。

 もう一つの魅力は間合いの見せ方。バトルにおける距離の詰め方がとにかくうまくて、敵が登場して話しだしたかと思うと、ノータイムで顔を殴るといった場面が何度も展開される。アクション映画で劇的な音楽が流れて「さぁ、これから戦いますよ」と、お互いが睨み合うといった前フリが展開されると、途端に醒めてしまうものだが『SAKAMOTO DAYS』のバトルはそういった無駄なやりとりがなく、即座に敵を潰そうとする。

 荒唐無稽なアクションを描いてもリアリティを感じるのは、この間合の詰め方に嘘がないからだろう。次はどんなアクションを見せてくれるのかと毎週、楽しみである。

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