『名探偵コナン』いまだベールに包まれた“黒の組織”の謎を考察

 板倉の日記に記されたベルモットらしき女性の言葉、そして灰原の証言を踏まえ、組織の目的を改めて考察してみる。組織の目的とは死んだ人間を複製し命を与える、いわゆるクローンのようなもので疑似的に「蘇らせる」ことであり、APTX4869はそのクローン技術開発の過程で生まれた薬ではないだろうか。これが組織の目的であれば、ベルモットと灰原の発言にも齟齬が生まれない。『コナン』が連載開始された1994年前後にはクローン研究が世界中で進められていたこともあり、時勢を敏感にキャッチし作品に反映させる青山剛昌が黒の組織の目的をクローンとした可能性は大きい。

 もっとも、『コナン』作中でクローンらしきフレーズが出てきたことは殆どない。また、黒の組織の目的については小さなヒントや伏線がストーリーに散りばめられている反面、核心に迫るものはほぼ0だ。その中でも未だに謎の多い板倉の日記と開発したソフト、そしてベルモットと灰原の一見矛盾している2つの発言。これらの要素はクライマックスで解き明され、黒の組織の目的の核心に迫る重要な伏線であることは間違いないだろう。

 黒いベールに今なお包まれた黒の組織の目的と正体、あなたはどう考察する?

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