四千頭身・後藤、エッセー集の一部にウソ発覚? 「今は本当のことだけ言ってます。これが事実です」
陰キャでも陽キャでもない、夕方の“夕キャ”
――草野球の熱血っぷりに引いている話があったと思ったら、あるときは文化祭でAAAを踊ったりと、キャラクターが陰と陽とどちらにも振れ幅があるなと感じたんですが。
後藤:そうなんですよね。僕は自分で「夕(ゆう)キャ」だと思っています。夏の夕方ってすごく明るいじゃないですか。「あれ、まだ5時なんだ」ってくらい明るい。けど、冬の5時って真っ暗じゃないですか。
――なるほど。その時によって、同じ夕方でも全然違うから「夕キャラ」と。今はどちらですか?
後藤:今は夏ですね。基本、夏で。でも、冬だと思われることは多いですね。だから、中学校の教頭先生にも目を見て話せないと思われたのかもしれないです。
――ちゃんと目を見れていたのに。
後藤:おかしいですよね。だから、この本は僕の夕キャな部分が伝わる本になってると思います。
――YouTubeではBTSの歌ってみた動画や、テレビのバラエティ番組でもジャニーズのモノマネをされていますが、もともとアーティストへの憧れもあったのでしょうか?
後藤:そうですね。たぶんダンサーなんですよね。気持ちが。もしかしたらAAAを踊ったときから、もうダンサーだったかもしれなくて。決まって夜、レモンサワーを飲みますしね。養成所も中目黒でしたし。相方の都筑もEXILEのSEKAIさんにそっくりなんでね。多分、四千頭身はダンサーです。
――あ、すみません! これまで芸人さんだと思ってインタビューをしていました(笑)。
後藤:いえいえ、わかっていただけてよかったです。ダンサーなので、ダンスをするんです。それだけですね。音が好きなので、聴いてるとみんな身体を動かしたくなっちゃうんですよ。
――(笑)。エッセーの中でも洋楽を聴かれると書かれていましたが、最近のお気に入りはありますか?
後藤:最近はマライア・キャリーの「ファンタジー」をよく聞いています。『フリー・ガイ』っていう映画の劇中歌になっていて。
――映画もたくさんご覧になられるんですね。劇場派ですか? 動画配信で見られますか?
後藤:劇場に行って、動画で見ています。昔は『Filmarks』っていう映画のレビューを書き込めるアプリを使っていたんですよ。それで、人がオススメしてる映画を見てたんですけど、今そのアプリ消しちゃってて。トラウマがあるんですよ。後輩を友達登録していたんですね、そのアプリで。そしたら後輩が、僕のおすすめした映画を★2.8にしてて。
――あ、微妙な評価ですね……。
後藤:僕の前では「めっちゃ面白かった」って言っていたんですよ。でも、★2.8で。ちょっとトラウマになってしまって。なのでアプリでチェックせずに、劇場に行って「なんかあるかな」って探すようになりました。
――ちなみに、なんという映画だったんですか?
後藤:『WOOD JOB!~神去なあなあ日常~』です。
――エッセーの中でも、一番お好きだとおっしゃっていましたね。
後藤:そうですそうです。なのに★2.8。ショックでした。平均点高めの子だったんですけどね。何が気に食わなかったのかな……。
――そのことについては直接触れていないんですか?
後藤:何も言えてないですね。だから、この記事を読んでくれれば。この戦いに決着がつくかもしれません。読んだら、ダイレクトメッセージを送ってほしいです。
昭和の芸人魂に憧れながらも、次に目指すはラッパー後藤
――もともとお笑い番組がお好きだったと書かれていましたが、テレビで見ていた方々と今では共演されることも多いと思います。改めて憧れの人はいらっしゃいますか?
後藤:お笑いに関して憧れている人……そうだな。やっぱり恵(俊彰)さんですかね。最近よく一緒に番組に出させてもらうんですけど、貪欲な芸人愛を感じるといいますか。滑らせないんですよ、僕らを。それがカッコいいんですよね。
――ずっと好きだった番組に出ていたパンサーさんはいかがですか?
後藤:最初はすごく緊張しましたけど、今ではもうあんまり何も感じないです。毎週、お会いしているんでね。もう親より会っている感じなんで。むしろ親の方が珍しいくらいですね。
――「お笑い第7世代」について思うこともエッセーでは触れられていますが、先輩方と接してみて世代キャップを感じることはありますか?
後藤:どうなんですかね。そんなに大きなギャップはないと思いますけど……。でも、なんか「裏を取らないと」みたいな感じじゃないですか。例えば「押すなよ」って言われても、押す笑いがあるじゃないですか。出川哲郎さんが「最近は“押すな“って言って誰も押さない。押せよ!」みたいにおっしゃってたんですけど。「押すなよ」で押してウケていた世代とはやっぱり違うかもしれないですね。今は、押してもウケないと思うので。いっそのこと引いたらいいのかな、と。
――たしかに。そうですね。
後藤:新しいものを生み出すというよりは、なんか昔あったものの逆をいくみたいなのがね、お笑いみたいな感じになっていますよね。
――そういったお笑い論を同世代の方とお話することはありますか?
後藤:しないですね。ラジコンの話とかばっかしています。カッコいいんですけどね。そういう話を熱くしている方が。昭和の芸人さんっぽい姿にも憧れはあります。恐れていない感じとか。「これが芸人ちゃうんかい!」みたいなのが、今はないですからね。全員ビビりながら生きてると言いますか。
――ムロさんとの対談にも“昭和の役者“っぽさに憧れているみたいな一節がありましたね。
後藤:そうですね。でも、好感度なんですよね。結局、みんながほしいのは。「実はいちばん真面目なんだよ」みたいなのを芸人が言い出したじゃないですか。周りが言い出すのはいいんですけど、自分で言っちゃうのはダサいなって思っていて。僕は、逆に好感度を壊しに動きたいなって思っていますね。手当り次第殴って歩いたり……。
――それはダメですね!
後藤:ああ。ダメですね。すいません。好感度どころじゃないですもんね。やっぱり好感度は大事だと思います、はい。
――好感度も大事にしつつ(笑)、最後にこれから叶えていきたいことを教えていただきたいです。
後藤:僕、ラッパーになりたくて。
――あとがきにリリックも書かれたとありましたね。
後藤:はい、書いたんです。あとは配信されるのを待つばかりなんですが。きっと聴いたら涙が出ると思います。それが口の中に入って水分補給ができる曲になっております。ぜひ、エッセーの次はラッパーの後藤も楽しんでいただければと思います。
■書誌情報
『これこそが後藤』
著者:後藤拓実
出版社:講談社
定価:1,375円(本体1,250円)
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