『HUNTER×HUNTER』クラピカ、チート能力の代償は? 作者・冨樫義博の不吉な予言

 改めて振り返ると、多種多様な能力を有しているクラピカ。しかも、絶対時間と組み合わせることでかなり幅広い使い方ができる。同胞の敵討ちが目的で、一人で戦うことを前提としているクラピカだからこそ、こうした能力を生み出したのだろう。この能力たちはもともとは対幻影旅団用に設定していたが、暗黒大陸・王位継承戦編では応用をして様々な事態を対応している。例えば、サイールドの念能力を預かってオイト王妃に船内の各部屋を調査させたり、警護兵と従事者たちに念を習得させたり。王位継承者たちの様々な目論見が渦巻く同編は、クラピカの頭脳と能力があってこそ成り立つ話と言えよう。

 多くの登場人物と複雑な設定、それぞれの思惑が絡み合っており、まだまだ明かされていない部分が多い同編。0巻に掲載された、「今後、クラピカは、幻影旅団はどうなるのでしょうか?」という問いへの「全員死にます」という作者・冨樫義博の答えの顛末も気になる。超人的な能力を備えていても不老不死ではないキャラクターたちは「いつか等しく死ぬ」という意味にも捉えられるが、人気キャラクターにおいても命の保証がないのが『HUNTER×HUNTER』でもある。いずれにしても、全貌が見える日が来ることを楽しみに待ちたい。

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