今晩はちょっとだけ丁寧に料理がしたくなるかも? 『広告会社、男子寮のおかずくん』のあたたかい魅力

食べることで心にパワーを

 作中では、「食事を摂って元気が出た」というシーンがたびたび出てくる。落ち込んでいても、豪快に肉を焼いてかぶりつけば、少し心は前を向く。むしゃくしゃしたときに辛いものを食べて汗をかいたら心もスッキリする。

 食べたものが体に反映されるのは、当たり前すぎて忘れてしまうかもしれない。少し食生活を変えただけで肌ツヤがよくなることもある。それと同じように、食事で心も潤う。食べるものがそっけないと、どうしても下向きになってきてしまう。そして、誰かが一緒にいると、食べるものも変わってくる。

 『広告会社、男子寮のおかずくん』では生活の中に当たり前にある食事のシーンを重点的に描くことで、食事がどのように生活に影響を与えているのかを教えてくれているように思う。読むと、「明日は自分が食べたいものを少しだけ丁寧に作ってみよう」と思える。

 あと『おかずくん』の良いところは、手に入れやすい食材で作れるレシピが満載なところだ。筆者は第6巻32話に登場した「なすの肉詰め」がお気に入りである。

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