『あたしンち』ユズヒコが愛される理由 中学生の男の子らしい魅力を考察

 タチバナ家と同じマンションに住む幼い男の子「たっくん」。タチバナ家に預かってもらうことの多いたっくんは、ユズヒコのことをおにーちゃんと呼んだり、ユズヒコの食べているものなら好き嫌いをせず食べてしまうなど、ユズヒコのことを好いている様子が多く描かれている。みかんがお絵描きをするたっくんに話しかけても「…べつに」と返答されてしまう様子も描かれる。

 たっくんに好かれるユズヒコであるが、お別れの時間となり「おにいぢゃーん」と泣き叫ぶたっくんの姿を思い出して、ユズヒコも涙を流す様子が描かれている。

 幼いころのユズヒコは人見知りで、お母さんにモノをねだらない子どもであった。お母さんに怒られてもケロッと甘えることができる幼き日のみかんと対照的に、昔も今もユズヒコは人に甘えることが苦手な性格として描かれている。

 そんなユズヒコだからこそ、もしかしたらみかんたちには甘えず、自分にだけ甘えてくれるたっくんの気持ちに共感を覚え、うれしさを感じているのかもしれない。

 冷静でクールなユズヒコから垣間見える、思春期を迎えた子どもらしい一面と、面倒見のいいお兄さんとしての一面。2つの中学生らしいユズヒコの姿が、同級生だけでなく多くの読者から支持を得る理由なのではないだろうか。

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