おかず一品もたまには悪くない? 『あたしンち』お母さんの愛すべき豪快料理を検証
豪快すぎる料理に法則が?
8巻では、ユズヒコがお母さんの夕食について分析している。給料日前になると、おかずがしらたきとちくわの炒め物、ちくわ、なめたけの瓶詰めだけと徐々にパワーダウンし、給料が出ると、豪華になり肉になるという、家計に比例して夕食のおかずが変わるという法則を発見したのだ。
また、お父さんが出張などで家に帰らないときも、トーストだけ、ベーコンエッグのみと、かなり手抜きになる法則にも気がつく。ところがある日、給料日翌日にもかかわらず高野豆腐だけだったこと、逆に秘宝とも思えるカニ缶が出てきたこともあり、ユズヒコは混乱し、「法則なんてなかったか?」と迷いが生じてしまった。
次のコマで、謎法則の理由はただ、お母さんが雨で買い物ため外に出たくないという理由だったことが明かされている。それなりの家に住み、妻と2人の子供を養っていることを考えれば、十分な貯金がありそうなタチバナ家。金銭的理由というより、夕飯の献立は、お母さんの気分によるところが大きいのかも。
強いインパクトを与えたお母さんの料理
何気ない日常を描いた『あたしンち』のなかで、お母さんはかなりユニークな存在。特に気分が如実に反映された料理は、読者に強いインパクトを与えている。
そんなお母さんの「強さ」と「個性」が、『あたしンち』が人気となった理由なのかもしれない。