進撃ロスには『地獄楽』がおすすめ! 忍者×ダークファンタジーの魅力

 刺激的な作品が揃う「バトルロイヤル」ジャンル。高見広春の小説を原作とし、2000年には映画も公開された『バトル・ロワイアル』や、井上淳哉が世に輩出した累計発行部数450万部を超える『BTOOOM!』など、漫画界に名を残す作品も多い。そんな群雄割拠のジャンルに、「少年ジャンプ+」連載作品が、新しい風を吹き込んで見せた。その作品とは2018年から2021年1月まで連載された、ブラックな雰囲気が特徴の“バトルロイヤルファンタジー”『地獄楽』である。そこで本稿では来るアニメ放送に先駆け、『地獄楽』の他作品とも通じるダークファンタジーとしての魅力を、改めて紹介していく。

 『地獄楽』の舞台は江戸時代の日本である。本作の主人公である元最強の忍・画眉丸は里を抜けることに失敗し、罪人として捉えられていた。打首の刑に処せられた画眉丸だが、執行人は画眉丸の首を切り落とすことができず、その刃は綺麗に折れてしまう。彼は忍であったころの修行により、簡単には死ねない体になってしまっていたのだ。その他にも「火刑」「牛裂き」と様々な処刑を執行されても、ケロッとした顔で生き延びてしまう画眉丸。

『地獄楽』2巻(集英社)

 一方目付役人の佐切は、血も涙もなく人を虫のように殺してきた彼が、なぜ里を抜けようと思ったのかが気になっていた。その原因には、1人の女性の影がある。画眉丸はその働きにより、里の長に認められ、長の娘と結婚することになった。しかし画眉丸はその女性を本気で愛してしまったのだ。

 再度の処刑で画眉丸の目の前に現れる、目付役人の職務を脱いだ“打首執行人”としての山田浅ェ門 佐切。佐切は画眉丸に「貴方は妻を愛している」と事実を突きつけるも、彼はそれを認めようとしない。画眉丸はこれまで非情な忍として生きてきた自分が、普通の人生など歩める訳が無いと諦めていたのだ。

 しかしそんな画眉丸の前に「叶います」と語気を強め、佐切は一つの巻物を見せつける。この世にも奇妙な伝令を記した巻物が、画眉丸、そして佐切の運命を大きく変えることになるのだった。

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