『同級生』の中村明日美子は百合でなにを描く? 『メジロバナの咲く』の友愛とシスターフッド
中村明日美子が開いた扉
私は「百合」という概念を広く捉えている。シスターフッド、女性同士の恋愛や憎悪、友愛も性愛も、殺意さえも百合というジャンルの中に収まる。
そう、『メジロバナの咲く』では中村明日美子は、友愛とシスターフッドという新しい扉を開いたのだ。『Jの総て』、『同級生』シリーズ、『ウツボラ』、『王国物語』。中村明日美子の主要な作品を挙げていくと、友愛、シスターフッドがテーマの作品は皆無と言っていいだろう。
中村明日美子の描く友愛とシスターフッド。それがどんな実を結ぶのか、私は今から楽しみで仕方がない。
現在、『メジロバナの咲く』は2巻まで刊行されている。2021年6月に発売される予定の『楽園 Le Paradis』36号で2巻の続きが読める。
■柳ヶ瀬舞
フリーライター。ユリイカやWebマガジンで、サブカルチャーや文芸作品についてのコラムを執筆。趣味で小説を書いている。Twitter:@yanagase_mai
■書籍情報
『メジロバナの咲く(2)』
中村明日美子 著
定価:本体700円+税
出版社:白泉社
公式サイト