母との絆、たまちゃんとの友情……『ちびまる子ちゃん』笑いあり涙ありの感動エピソード3選

たまちゃん、大好き(10巻)

 まる子の家でタイムカプセル(手紙の入った瓶)を作り、翌日の2時神社で埋める約束をしたまる子とたまちゃん。まる子は神社に向かい「20年後、この神社に一緒に来るんだ」と意気込み、寒さをこらえ一日中たまちゃんを待っていたが、現れなかった。

 怒ったまる子はタイムカプセルを勝手に開け、雑木林に投げ捨ててしまう。翌日学校でたまちゃんは「留守番することになっちゃって。ごめんね」と謝罪するが、まる子は許すことができず「留守番なんて鍵かけてくればよかった」と憤る。

 それでもたまちゃんは「明日瓶(タイムカプセル)を埋めに行こう」と提案するが、「もう遅いよ。捨てちゃった」と告げ、2人は喧嘩状態に。下校時も、いつも一緒に帰っていたたまちゃんは別の友達を誘い、帰ってしまった。

 気の合わない冬田さんと家に帰り、素直に謝罪してきたたまちゃんを許さず、素っ気ない行動をとったことを悔いたまる子は、神社へ投げ捨てたタイムカプセルを探しに行く。たまちゃんも「鍵をかけてすぐ行けばよかった」「どう謝ったら許してくれるんだろう」と思い悩む。

 2人は偶然神社付近で対面し、まる子が「瓶を探して謝ろうと思ったけど見つからなくて」と泣きながら謝る。たまちゃんも、留守番を優先したことを謝罪。そして、新たにタイムカプセルを作り、神社に埋めた。その内容がお互いに「大好き」と書かれていることが発覚するのは、20年後だった。

 些細なことで親友と喧嘩したことに対する苦しみは、誰もが一度は経験するもの。謝りたいけど素直になれない葛藤と、最終的に2人が謝罪し、仲直りをした感動。そして、タイムカプセルのエピソード。様々な要素が噛み合った、神回だった。

単行本にも珠玉のエピソードが

 『ちびまる子ちゃん』と聞くとテレビアニメを連想する人が多いと聞く。確かにアニメも素晴らしい作品揃いだが、漫画にはさくらももこ氏のタッチや想い、そして何よりも彼女が描いた人々が登場する。いろいろと生きづらい世の中。漫画『ちびまる子ちゃん』で、心を温めてみてはいかがだろう。

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