『美味しんぼ』最凶コンビ・荒川絹江と三谷典子は“恋のキューピッド”だった? 山岡たちへの影響を検証
プロポーズ時にも……
団社長と近城カメラマンがそれぞれ栗田にプロポーズした42巻では、浮かない表情をする栗田をよそに「団さん近城さんか、どちらにするか迷うわね」とまるで我が事のように喜ぶ。
別日、喫茶店で「両方のプロポーズを断る」と明かした栗田に荒川は「団さんや近城さんの反対側の秤に誰を乗せるの? 山岡士郎なのね?」と聞く。栗田がうなずくと三谷は「栗田さんそれは同情心なのよ」と心無い言葉を浴びせる。
すると栗田は「同情心なんかじゃありません。山岡さんはグータラで社会的成功の望みはないダメ男だけど、山岡さんは周りの人間を幸福にするわ。荒川夫人も三谷夫人も今は結婚して幸せだけど、そうなるまでには山岡さんの協力は無視できないと思いますけど」とド正論を浴びせる。これには2人もぐうの音も出なくなってしまった。
ところがプロポーズを断られた団社長と近城が「それでも待っている」と告げると、「勝負はこれからよ。山岡から栗田さんを取り返そう」とはしゃいでいる。山岡の恩を、すっかり忘れてしまっているようだった。
敗北宣言でも心無い言葉を……
山岡がサルモネラ菌による食中毒で倒れ生死をさまよった43巻。夜通し付き添った栗田を見て団社長、近城、そして二木まり子が結婚を取り下げた。病室でその光景を見た荒川と三谷は、山岡の前で「あー破滅よ。悪夢だわ」「どんどんまずくなる」と叫ぶ。結婚が決まった後も「両親や家族から反対されることを期待していた」「栗田さんが幸せを取り逃がすのを黙ってみているの?」と終始山岡との結婚に反対していた。
結婚披露宴が描かれた47巻でも披露宴直前に「逃げるなら最後のチャンス」と発言。前日にはそれぞれが夫に山岡が外に出歩かないよう酒をもたせて家に向かわせ、「見張り」をつける一幕も。旦那たちは中松・近城とともに飲み明かし、山岡は結婚式に二日酔いで出るという逆効果を生み出している。
恋のキューピット役とも言える?
栗田が事あるごとに荒川と三谷に恋愛相談をしていたことを見ても、信頼出来る先輩と考えていたことは間違いない。しかし山岡には恩があるにもかかわらず面と向かって暴言を吐く、暴力を振るうなど、かなり横暴な一面も。そんな荒川と三谷だが、2人が団社長との結婚を強く望み、山岡を蔑んだからこそ、栗田が想いを強く持ち、なびかずに結婚できたとも考えられる。二人はある意味恋のキューピットとも、言えるのかもしれない。