『呪術廻戦』真人、清々しいまでの悪役ぶりにファン急増? 敵キャラとしての魅力とは?

『呪術廻戦』(12巻)

 そんな“胸くそ悪い”真人の敵らしさは、「強いのにまだまだポテンシャルがあるところ」にも起因しそうだ。真人は発生してからまだ日が浅い呪霊で、対峙した七海建人も「あの呪霊は子供だ おそらく発生してからそこまで時間が経っていない 貪欲に自分の成長を楽しんでいる」と語っている。

 実際、その強さは無茶苦茶だ。無為転変も自身の魂を呪力で保護するという方法しか対処法が無い上に、真人自身にも適用できる。変幻自在に肉体を変えられるため攻撃によって肉体を破壊されても、即座に再生することができてしまうというチート級の強さを持ちつつも、産まれたばかり故に驚異的な成長を見せている。

 現に虎杖との戦いでは、完全体とも言える遍殺即霊体に進化し、虎杖に「変身前とは別次元の存在に成ったんだ」と感じさせている。

 そして、一番のポイントは「恐怖心がない」ところではないだろうか。初めて七海と対峙したときも「楽しい」と言っており、渋谷事変で五条悟とやりあっているときも「ハハッ まじで当たんない」と笑みを浮かべている。自分が劣勢になりかけていても、真人にとって戦いは楽しいものなのである。最後の最後、虎杖に追い詰められたときには逃げ出し、嘔吐していたが、もしかするとその時初めて真人が恐怖心を実感したのかもしれない。

 我々人間の常識や感情が一切通用しない呪霊、真人。しかも底抜けの強さを持っていたとなれば“正統派の敵キャラ”として人気が出るのも納得だ。ちなみに、『僕のヒーローアカデミア』に出てくる人気ヴィランの死柄木弔に似ていると話題にもなっており、アニメで出番が増えるに連れて幅広い人気を獲得していきそうでもある。原作では夏油傑に取り込まれてしまったが、真人の人気がどこまで伸びるか、注目してみたい。

関連記事