『僕のヒーローアカデミア』轟焦凍が成長したきっかけとは? 封印していた個性を解放した日

轟はまだ全てから逃れられたわけではない

『僕のヒーローアカデミア 雄英白書 3 寮生活24時』(JUMP j BOOKS)

 本来の轟は少しばかり天然なところがあり、優しい人間だ。デクに対しても最初は敵対心を抱いていたが、体育祭を経て良き友人へと関係を変化させていく。またこのときをきっかけにクラスメイトなど周囲の人たちにも感心を持つようになる。

 爆豪が拉致された際はデクと共に救出に動いているし、文化祭などでも積極的に関わろうという姿勢も見せている。

 一方でエンデヴァーに対する嫌悪がなくなったというわけではない。エンデヴァーに対する感情を刺激されたことによって大事な場面で自己本位な行動を取ってしまうなど、根っこの部分でエンデヴァーへの気持ちを変えることができない。憎しみが拭いきれないでいる。轟が迷い、苦悩する中で、エンデヴァーも少しずつ家族との向き合い方を変えていく。(しかしまだエンデヴァーには大きな秘密があったのだが……)

 才能も実力もありながら、轟もまた膝をつき、立ち止まってしまうことは少なくない。それでも前を向く。彼もまた、ヒーローを目指す学生なのだから。

(文=ふくだりょうこ(@pukuryo))

■書籍情報
『僕のヒーローアカデミア』(ジャンプコミックス)既刊28巻
著者:堀越耕平
出版社:集英社
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