ラストアイドル 長月翠、水着への挑戦でグラビア界のホープへ 1st写真集『意外性』に込められた決意

 ラストアイドルの長月翠が5月に発売した1st写真集『意外性』(集英社)は、人生で一番輝いている瞬間の長月の姿が詰まった作品だ。

 「オリコン週間BOOKランキング」の「写真集」部門で1位(集計期間:5月18日~5月24日)を獲得した『意外性』は、ラストアイドルファミリーにおけるメンバー初の写真集。出版元の集英社が手がける『週刊プレイボーイ』では、写真集の発売発表号となった4月、さらにその2カ月後の6月と異例の2度にわたって長月がソロ表紙&巻頭グラビアを飾っている。そのグラビアの才能は現在発売中の『週刊プレイボーイPREMIUM 2020上半期グラビア傑作選』にも、グラビアアイドルが中心のラインナップで、数少ない現役アイドルのひとりとして選出されているほどだ。

長月翠とアメリカ

 写真集のテーマは「もし長月翠がアイドルにならずに、アメリカに留学していたら……」。『ハイスクール・ミュージカル』や『ハンナ・モンタナ』を観て育った長月が子供の頃から憧れていたアメリカ・ロサンゼルスへの3泊5日の旅。まだ写真集の発売が告知されていなかった頃、筆者がインタビューした際の動画でも、ニューヨークを舞台にした映画『プラダを着た悪魔』をフェイバリットに挙げており、アメリカへの一貫した思いが見えてくる。

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 その動画内でも語っている将来の夢、「アメリカ人になる」という思いを叶えるべく降り立った初のロサンゼルス。カリフォルニアの荒野と、澄み渡った青空という絶好のロケーションにて写真集はスタートする。「世界中のマクドナルドを食べたい」という小さな野望を持つ長月が本場のハンバーガーにかぶりつくショットから、制服を着たハイスクールでのカットへ。

 驚かされるのはページを捲る度に登場するその衣装のバリエーションの数だ。長月が着用した衣装の数は20点以上。プロムシーンとして大きなリムジンに乗ってのエレガントな青いドレスや、バレエの練習シーンをイメージさせるレオタードまで。中でも写真集の大半を占めるのが、水着やランジェリーなどの挑戦的な姿だ。

 ハイスクールの流れから白い水着を着た長月は、まさに爽やかな王道のアイドル像。鮮やかに輝くロサンゼルスの光と長月の弾ける笑顔が、その旅の楽しさを物語っている(見開きの右のページに、プールに浸けた足先だけのショットを持ってくる構成も素晴らしい)。対して、黒い水着を着た長月は同じプールサイドで、少しアンニュイな表情を決めている。夜の街に飛び出すページとプロムシーンに挟まれているのは、ランジェリーを着た長月。より艶っぽく見えるその理由は、滅多に見せないおでこを出したアダルトな表情からだろう。また、その長月の思いきった脱ぎっぷりにも驚かされる。「下から見るか? 横から見るか?」といったフレーズがぴったりのアグレッシブなショットは、彼女のグラマーなボディがそれを可能とさせている。

 中でも写真集のハイライトとなるのは、本人もお気に入りのカットに挙げている黄色の水着を着た長月だろう。インディーズアイドル時代に経験した、悔しい姿での水着グラビア。そこからラストアイドルという険しい試練を乗り越え、美しく成長した長月。当時と同じ黄色の水着には「自分は変わった」という彼女の強い意志が込められている。黄色の紐がTシャツから覗く表紙にも表れているように、その表情は清々しくとても愛らしい。

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