『ザ・キング・オブ・ファイターズ』×『ジョジョの奇妙な冒険』? アニメ化で注目『ゴッド・オブ・ハイスクール』

 韓国のNAVERwebtoon発、日本ではLINEマンガで読めるウェブトゥーン(フルカラー縦スクロール)の『ゴッド・オブ・ハイスクール』のTVアニメ『THE GOD OF HIGH SCHOOL ゴッド・オブ・ハイスクール』が、2020年7月から放映および配信中だ。

 アニメは4月期の『神之塔』に続いて、アメリカ発のアニメ配信業者クランチロールが製作出資、日本のアニメ制作会社が制作という韓国、アメリカ、日本共同プロジェクトとなっている。

 では『ゴッド・オブ・ハイスクール』はどんな作品なのか?

3対3のKOF風バトル

 『ゴッド・オブ・ハイスクール』(『GOH』)は韓国全土、さらには全世界中の高校生たちが地域別に3人1組のチームを作り、優勝すればどんな願いでも叶えてくれるというトーナメント「GOH」で最強を目指してバトルする、というのが基本的な枠組みだ。

 主人公のジン・モリは武人ジン・テジンに育てられ、「じいちゃん」と慕う孤児で、常に身に付けたアイマスクがトレードマーク。性格は明るく奔放、ケンカ無敗のテコンドーの使い手という少年マンガらしいキャラクターだ。

 ジン・モリは、貧乏だがめっぽう強く、病気の友人のために戦うことを決意するハン・デイ(最初はのほほんとした感じだが徐々にクールガイ化)、とにかく強い男が好きな剣の達人のめがねっ子ユ・ミラとチームを組んで、強敵たちと戦っていく。

 3対3で勝ち抜き戦をしていくというスタイルは格闘ゲーム『ザ・キング・オブ・ファイターズ』(『KOF』)と同じだ。戦う前に「○チームVS×チーム」と3人ずつ描く絵の雰囲気などを見てもおそらく意識していると思われる(『KOF』の韓国チームといえばテコンドーの使い手キム・カッファンと巨漢の死刑囚チャン・コーハン、超小柄なチョイ・ボンゲだったが、キムのような品行方正な人間は出てこない。チャンやチョイほどではないが、どちらかといえば変わり種揃い)。

 といっても『KOF』は新作が作られ続けているもののの、全盛期は90年代~2000年代なので知らない人も多いかもしれないが……ちなみに『GOH』は2011年スタートである。

 各キャラクターごとにレベルやHPなどが設定されている点は格闘ゲームというよりRPGやSLGっぽいが、当然ながらマンガとしてはレベルで勝負は決まらない(作中でもそういう会話がある。つまり、それぞれのキャラは自分や相手の能力を数値で認識している)。このあたりはゲームに親しんだ読者が入りやすいような表現を工夫している、くらいに思えばいいだろう。

正統派格闘マンガと思いきや……JOJOのスタンドを思わせる「借力」バトルに

 『GOH』の序盤は肉体と一部は武器を使用しての格闘マンガとして進むのだが、途中からそれぞれのキャラクターが使用できる特殊能力「借力」が登場する。神や動物などのかたちを取ることが多く(「呂布」など)、ようするにスタンドバトル化する。

 借力は単純な戦闘能力のみならず、他人の見た目をコピーする「ドッペルゲンガー」などもあり、バトルを、そしてストーリーを複雑にしていく。

 ジャンプマンガのパロディやギャグとして小ネタが時折使われており、ジャンプマンガが好きならすんなり入れる内容になっている(個人的には『GOH』の明るく健康的な感じはむしろサンデーっぽいと思うが、いずれにしても日本の少年マンガに慣れ親しんでいる人間なら誰でも楽しめる)。

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