『アサヒカメラ』94年の歴史に幕 荒木経惟、石内都、岩合光昭、篠山紀信らが写真と言葉を寄せる

 『アサヒカメラ』最終号となる7月号が、6月19日に朝日新聞出版より発売された。

 特集は「構図は名作に学べ!」 。ゴッホ、フェルメール、ダ・ヴィンチ、レンブラントらの名画と、アンリ・カルティエ=ブレッソン、ロベール・ドアノー、木村伊兵衛、林忠彦、須田一正、星野道夫といった写真家の名作を重ね合わせながら、フォーカルポイント、視線誘導、バランス、配色、比例と配置、という5つのポイントで 、名写真たる所以を解説する。

 第2特集は、写真家に教わるセルフポートレート。大橋愛、浅田政志、平間至が、それぞれの視点から、奥深いセルフポートレートの極意を明かした。

 Snow Man・向井康二と第一線の写真家による実戦形式の連載も4回目。自宅でもできるセルフポートレートのレッスンを実施した。自分の写真は少ないという向井が、ハービー・山口さんに教わった5つの要素を生かして、自撮りに挑戦。「見る人の想像力をかきたてる」ために向井さんが撮った写真とは? そのうちの1枚が、『アサヒカメラ』最初で最後となる裏表紙を飾っている。

 さらに、ピンホールカメラや湿板写真で「写真の原点を楽しむ」企画や、梅雨時に機材をカビ・クモリから守る方法など、必読の企画を実施。「第5回 岩合光昭さんが審査する アサヒカメラ ネコ写真コンテスト」の審査結果も発表している。

休刊にあたって『アサヒカメラ』コメント

すでに報じられている通り、「アサヒカメラ」は、この2020年7月号をもって休刊いたします。 
1926(大正15)年4月の創刊以来、日本の写真文化とその土壌を未来へ繋ぎたいとの思い、そして、カメラそのものが持つ魅力と撮影の楽しさとを多くの方に伝えたいとの思いから、力を尽くしてまいりましたが、通巻1125号となる今号をもって、残念ながら歴史を閉じることとなりました。 
最終号にあたり、ゆかりの深い方々に、本誌にまつわる思い出の写真と言葉を寄せていただきました。赤城耕一さん、荒木経惟さん、石内 都さん、岩合光昭さん、大西みつぐさん、北井一夫さん、椎名 誠さん、篠山紀信さん、鈴木理策さん、土田ヒロミさん、中村征夫さん、英 伸三さん、ハービー・山口さん、水越 武さん、宮嶋康彦さん、森山大道さんの16人が明かすエピソードに、歴史を感じられると思います。名物連載「ニューフェース診断室」を振り返る特集とともにご覧ください。


なお、大変心苦しいのですが、アサヒカメラ写真コンテストも、今号掲載発表分をもって終了させていただきます。ご応募くださっていたみなさまに、年度途中でこのようなご報告をしなくてはならないことを、心よりお詫び申し上げます。次号以降発表分としてお送りいただいた作品は、順次返却させていただきます。詳細は本誌でご確認ください。 
94年間、「アサヒカメラ」を愛してくださったみなさま、本当にありがとうございました。

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