『アクタージュ』は「すぐれた表現とは何か」を探求する 全クリエイター必読の演劇漫画を考察

 『週刊少年ジャンプ』で連載中の『アクタージュ act-age』(集英社)はマツキタツヤ(原作)と宇佐崎しろ(漫画)による演劇漫画で、5月には最新巻となる11巻が発売された。

 天才的な演技の才能を持つ女子高生・夜凪景は、映画監督の大黒墨字に才能を見いだされ、女優としてデビュー。映画、舞台に続けざまに出演し、芸能界で大きく注目されるようになる。そんな夜凪が現在挑戦しているのが『西遊記』の一部を戯曲化した舞台『羅刹女』。芸能プロデューサー・天知心一の企画によって、夜凪のライバル・百城千世子とのダブルキャスト公演となった『羅刹女』は、作品の評価を巡って2人が戦う演劇バトルだ。

 大黒墨字が舞台演出として千世子の出演するサイド「乙」に回る中、夜凪の出演するサイド「甲」には、退屈な日本を飛び出してハリウッドで映画俳優となった天性のスター俳優・王賀美陸と、『羅刹女』の原作者にして芥川賞受賞作家で芸術家の山野上花子が初めての演出として参加。自分の演技に絶対の自信を持つ王賀美と、天才肌の山野上に翻弄されながらも、羅刹女の役を自分のものにしていく夜凪。そしてついに舞台初日を向かえるのだが、山野上は夜凪の演技を覚醒させるために最後の爆弾を投下する。

 以下、ネタバレあり。

関連記事