『鬼滅の刃』不死川実弥はなぜ炭治郎とぶつかっていたのか? 最後の共闘に至る道すじ

 先週の『週刊少年ジャンプ』2020年17号『鬼滅の刃』第199話では、無惨がついに陽の光を浴び、今号の200話にてその続きが描かれた。本稿では、前話にて死闘に加勢した不死川実弥について解説する。

 実弥は風の呼吸を使う風柱。痣者であり赫刀の発現者でもある。刀身全体に鋭く刺々しい紋様のある刀を用いる。伍ノ型・木枯らし颪では上空から広範囲へ突風を吹きおろすかのような斬撃、壱ノ型・塵旋風・削ぎでは地面をえぐる勢いで突撃し、すさまじい衝撃波を与える。

 黒死牟戦では、実弥は遠距離から呼吸法を用いた斬撃を放ち、瞬時に相手の足元をくぐりながら間合いを詰める。弟の玄弥の刀や銃で的を引きつけて、その隙に斬撃を試みるなど、戦況を的確に判断しつつ有効な攻撃を繰り出す。

 さらに、自身の血の匂いで鬼を酩酊させる“稀血”の持ち主でもある。この能力を知ったのは、身内に起きた悲劇が発端。母が鬼化して実弥と弟の玄弥以外家族全員を殺したとき、自分の血は鬼を酔わせ動きを鈍らせる効果があると確信し、母を殺したのだ。それ以来、玄弥からは恨まれ続けた。母を殺した実弥は、鬼殺隊や日輪刀の存在すら知らず、稀血の能力を利用して鬼と戦いながら陽の光で灼き殺していた。その途上で粂野匡近と出会い隊士となったのだ。

 性格は獰猛で荒々しい。玄弥が実弥を恨んでいたことを謝ろうとするも、玄弥に呼吸法が使えないことを口汚く罵倒し、距離を置いていたように思われた。しかし、黒死牟戦にて玄弥が実弥に加勢した際に、本音が明かされる。玄弥には、わざわざ自分と共闘はせず、所帯を持って家族を増やして長生きして欲しいと願っていたと伝えたのだ。戦闘能力は高くとも、不器用で愛情表現が苦手なのである。

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