人気YouTuber そわんわん&とどろん、なぜ好感を持てる? 正反対なふたりの共通点とは

 日本のTVのバラエティ番組で行われている外見いじりや、自分の容姿を自虐するネタ・芸人が苦手だ。しかし「ブス」を自称するインフルエンサーはきらいではない(個人的にこの単語自体使いたくないが、本人たちが使用しているので便宜的に使用する)。この微妙な違いはなにゆえか? 対照的なインフルエンサーふたりを紹介しながらこの問題について考えてみたい。

ポジティブなそわんわんとネガティブなとどろん

 ひとりめはそわんわんだ。

[キャプション]朝起きて外でるまで雑談しながらブスがメイクする動画。

 東京出身和歌山育ち、もともとはタレントを目指して2017年からYouTuberとして活動開始。チャンネル登録者数45.5万人。フランクに雑談をしながらメイクする動画が人気だが、著書『すべてはウチらの頭の中に』を読むと彼女はとてもポジティブだ。

世間の声=普通ではないし、うちはそういう声に慣らされて生きたくない。

自分の“普通”を相手に求めるのは不幸のはじまり。

今したいことを選んで生きてったほうが絶対楽しい

嫌いな人とは関わらんかったらいいだけ。

否定から入るんじゃなくて肯定から入るようにすれば、たいていの悩みが減ると思うで。

 等々。読んでいて元気が出てくる。

 対照的にめちゃくちゃネガティブなツイッタラー/YouTuberがとどろんだ。

シャワーを浴びようか

 顔出ししていないが、醜形恐怖症で整形依存だということを明かしており、Twitterは2018年11月から開始してフォロワー14.5万人、YouTubeは2019年2月から開始してチャンネル登録者数18万人。YouTubeでは顔出ししてないメイク動画や飯テロ動画などを投稿し、病みを吐く。

 とどろんの著書『未来を決めるのは私だから王子様も魔法もいらない』には以下のような言葉が並ぶ。

二次元に恋してたときこの人は私を否定しないし見た目で判断しないし大好きって思ってたけど、それは意志を持たない紙だからでもしこの人が現実にいたら私なんかには見向きもしないという事実に気付いて私はヲタクを卒業した

たまに無性に可愛い子が見たくなって突発的にアイドルのライブ行ったりインスタで画像漁ったりしてウホウホするんだけど、一通り満足したのち「考えてみたら同じ人間なのか……」と絶望感で胸がいっぱいになる。わざわざ自爆しにいってる。アホ

可愛い子がする気もねえのに私も整形した~い!って言ってくるの、整形ブスからしたら死ねって言われるよりムカつく

どーしても自分の顔が嫌な日は「まあ私前世はゴキブリだったし人間1周目にしては人間寄りの顔に生まれてきたよな上等上等」って前世の記憶を捏造すると気持ちが楽になるので試してみてください

 Amazonの評価でも「ネガティブがいきすぎていてきつい」的なコメントが並んでいるのでネガティブ発言に耐性がない人は読まない方がいいかもしれない。

どのくらい対照的なのか?

 両者の性格は真反対と言っていいくらいなので、比べて読むとおもしろい。

 たとえば一重まぶたについても、ふたりとも気にしていたが、そわんわんは最終的には「二重にすると『アイプチ崩れてないかな』って不安が湧いてきて、友だちといても自分の目元が気になるんよ。そのときに、一重でも、アイプチで二重にしても、結局目元を気にすること自体は変わらんって気がついた。(中略)うちは一重のほうが精神的に楽やなって思った」というところに行き着く。

 一方とどろんは何をやっても二重にならず「『盛りたい』と願ったブスの気持ちを弄ばないでくれ」という結論に行き着く。

 友だちといっしょにいて容姿を比べられることについて、そわんわんは「そもそも見た目と友達関係って全然別の話やんか」と一蹴するのに対して、とどろんは「友達が隣で褒められているときどうにもならない感情が湧いてくる。(中略)「可愛い」という一生自分に向けられることのない賞賛の言葉と、それを日常的に受ける人間がいるという事実」と沈みまくる。

 とはいえ共通点もある。

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